2007年9月

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9月30日(日)
 一週更新をサボってしまいましたがいろいろありました。駆け足で綴りま
すと−

 まず今日は北松戸CUBAでサルサのライブ。初めての店だったが、100人
近いお客様を迎えて大盛況。生のサルサを聞くのは恐らく初めてという方が
多く、それだけに熱気と好奇心が客席から感じられた。ダンス指導の先生の
リードもうまくてありがたかった。また是非出演したい店だ。

 23日(月)は、ロス・ボラーチョス恒例の甲府サルサフェスティバルの
出演。バスを借り切って、ビールを飲んで酔っ払った状態で現地到着。道が
ものすごく混んで甲府まで4時間近くかかってしまったが、その分他のバン
ドの演奏を聞いたり、モヒートを飲んだりして楽しく過ごした。このフェス
ティバルの出演ももう17回目。毎年甲府へのサルサ・ツァーの日を迎える
と、秋も深まってくるんだなあという感慨に襲われる。

 昨日はタップダンスのグループ、TAP DO!の公演を見に中野ザ・ポケ
ットに足を運んだ。この公演で伴奏のピアノを担当している知人の千葉香織
さんの誘いで来たのだが、予想以上に楽しめた。タップダンスのグル−プと
いっても、タップの技を極めて練習の成果を披露する、という性格のもので
はなく、タップを取り入れたコントのショーを繰り広げるという形になって
いる。だからぼくのようにタップダンスを見るのが初めての人にも非常に入
りやすかった。特にリーダーのポケさんの芸は楽しくて、ちょっとした曲芸
のような小技を豊富に持っていて、ちびっ子たちからも喝采を浴びていた。
個人的には、トイレの順番待ちをコントにした「トルコ行進曲」が特に面白
かった。それにしても、くるくる場面が変わるショーの音楽を担当するのは
さぞかし大変だっただろう。演奏者の方々の努力にも頭が下がる。帰りに、
連れ立って公演を見に来ていたおばあさんたちが口々に「面白かった」を連
発していたのが印象的だった。
 帰りに、画廊「ときの忘れもの」に寄り、若林奮展を見る。見たことのな
い大判の作品が展示してあって、若林奮独特の甘さのない叙情性に打たれた。

 22日は横浜のBankARTCafeで劇団・小指値の公演を見る。狼に育てられた
犬が、紆余曲折を経て狼の世界に戻ろうとする『[get] an apple on westsi
de』は、ダンスのような動きが印象的な作品。主人公の心の動きが、主人公
の独白によってでなく、群像の姿として表現されているのが面白かった。も
う一つ、「R時のはなし」は、学童保育の先生と生徒の関わりを描いた作品。
生徒は孤児で、養子に迎えられたが、養子の話を白紙に戻されてしまったが
そのことを先生には言えず、いたって明るくふるまう。人形と実際の人間の
演技をまぜこぜにするアイディアが面白く、それに映像をくわえて、表現の
位相が何度も逆転する中で、切なさが滲み出るというところが興味深かった。

 そして10月8日の朗読会のため、女優の登坂倫子さんとリハーサル。自
分で書いた詩のくせに、暗記できていなくてまだ情けない状態。登坂さんよ
りいろいろ指導を受け、演劇をやっている人の目はこういうものか、と知る。
ひと呼吸でワンフレーズを、というのはトランペットの演奏と同じなのだが、
慣れている演奏と違って、暗記したセリフを感情をこめつつ安定した呼吸の
もとで喋るのは難しい。あと一週間ちょっと、できるところまで練習してみ
よう。


9月17日(月)  慌しい三連休。  新作詩「聖なる印」を書きあげ、サイトにアップ。冗談のような題材で作品 としての詩が成立させられるか、という一種の実験。  土曜日。女優の登坂倫子さんと朗読の打ち合わせ。彼女が主宰している演劇 教室のことや悩んでいることなど、いろいろ話しあう。朗読のやりかたの大枠 は決めたので、一週間後にリハーサルすることにする。  日曜日。渋谷のアンカレッジで詩の合評会。木葉揺(このはゆり)さんの「 ひきこもる(仮)」という作品が面白かった。肩につけた傷と会話するという、 ポップな感覚の作品で、孤独の痛みが軽いタッチで丁寧に描かれていると感じ られた。そのあと、サルサバンドの練習。  月曜日。庭園美術館に「舞台芸術の世界 ディアギレフのロシアバレエと舞 台デザイン」展を見に行く。バレエリュッスのとんでもない程の革新性がどの 展示物からもうかがえる。東洋趣味というかイスラム風の意匠が目だつ。ロシ アは内部にイスラム圏を抱え込んでいることに、今更ながら気づかされる。  そのあと池袋万希でジャズのセッション。  「仮面ライダー響鬼」全巻見終わる。確かに29回からあとは別の作品であ る。前半に追求されていた風土と妖怪の関係がぷっつり切れてしまったことが 残念。それと猛士の人々が、スーパーマン化してしまって、魔と関わる職業人 としての側面が失われてしまったことも残念。子供よりも大人の女性ファンを 掴もうとしたのか、男優たちのカッコよさがことさらに強調されるようになっ ていたことも残念だ。ただ、物語としての力は薄くなっても、エンターティメ ントとしてはわかりやすくなったのかもしれない。
9月4日(火)  10月8日(月・祝)に同人詩誌「モーアシビ」の有志で朗読会をやること になり、打ち合わせのためお茶の水の喫茶店に集まる。白鳥信也さん、五十嵐 倫子さん、北爪満喜さん、泥Cさんが来られた。  「秋の隠れ家〜白い箱」という企画名で、先のメンバーに沢木春成さんを加 えて行い、各自の朗読のほか、2部は「ワタシノヒミツ」と題して、この日の ために書き下ろされた短詩も読む予定。読む順番はどうするとか、チラシはど うするとか、飲み物はどのタイミングでお出しするとか、割とテキパキと手順 が決まっていって爽快だった。ぼくは、実は詩人たちがぼそぼそした声で自己 満足風に自作を朗読するのが大嫌い。なので、女優の登坂倫子さんに手伝って もらい、ちょっと演劇風にやろうと思っています。  →詳細はこちら  よろしければ足をお運びください。
9月2日(日)  某メルマガに匿名で書いているコラムに丸々土日を使ってしまった。まあ、 こんなこともあるでしょう。  涼しくなってしのぎやすくなりましたね。麦茶の季節が遠ざかっていくと思 うとちょっと悲しい気もしますが。  仕事でおつきあいのある文芸評論家・東雅夫さんの著書『響鬼探求』。平成 面仮面ライダーシリーズの「仮面ライダー響鬼」を文学・民俗学方面から追求 したすばらしい本だが、ぼくは実は「仮面ライダー響鬼」自体を見たことがな かった。ビデオ屋でDVDを借りて、コラムを書く合間にちょこちょこみてい たのだが、これが何とも規格外の作品。ヒーローは改造人間ではなく、修行に よって変身する「鬼」。ちっともアウトローではなく、「武士(たけし)」と 呼ばれる妖怪退治の組織に属していて、仲間も大勢いる。驚くべきことに、主 人公の響鬼は、太鼓を叩いて、不思議な波動でもって敵を倒すのある。ライダ ーキックとかライダーチョップとか、プロレスや空手をもとに相手を攻撃する のではない。音楽で敵を倒すのだ。びっくりだなあ。世のちびっこたちはこの 超不条理をどう受け止めていたのだろうか。  おどろおどろしい昭和仮面ライダーしか知らないぼくにも、この作品はとて も楽しめた。妖怪の下調べがきちんとできていること、土地柄と妖怪の密接な 関係を考慮していること、音が武器になるという奇抜なアイディアが気に入っ た。主役の細川茂樹をはじめ、キャストは美男美女が勢ぞろいするから、はじ めから大人のエンターティメントとして考えられている節がないでもない(特 に男性陣がカッコよく、若いおかあさんたちは夢中になってしまうだろう)。 しかし、特撮ヒーローもののお客さんは何と言っても子供だろうから、音で敵 を倒すというアイディアは、彼らにはちょっと難しいんじゃないかなあ。  ともあれ、楽しめたことは事実なので、今週中に全巻見てしまおうと考えて いる。トランペッターであるぼくは、トランペット状の武器で敵を倒すイブキ 君が特にお気に入りです。