2009年11月

<TOP>に戻る


11月23日(月)
 例によって昼過ぎまで寝て、会社の仕事をしてから猫のファミの様子を見
に伊勢原の実家へ。
 5時半頃着くと、ファミは椅子の上でうたたねしていたようだった。が、
ぼくに気づくとさっと起きて挨拶に来た。それからが大変で、遊んでくれと
せがみ続ける。ぼくが帰るたびにねこじゃらしでかまってやるので、目一杯
期待しているようなのだ。こちらも覚悟していろんなパターンでねこじゃら
しを振りまわしてやると興奮して飽きずに飛びついてくる。トイレに入って
いる時も、ドアの前でニャーニャーいいながら待っているし、2階に用事が
あってあがると追っかけてくる。猫は家につくとよく言われるけれど、そん
なことはウソだな。遊び相手になれば猫も十分人につく。
 両親に土産のドラ焼きを渡し(ちゃんとした和菓子屋で買ったものですこ
ぶる美味)、鍋物で食事しながら話をしていると、何度もファミが割り込ん
できて困った。食後にまた遊んでやる。ピアノを弾いてやったら鍵盤の上に
乗ってきたのにも驚いた。10時近くになるとさすがに疲れてきて、ソファ
ーの上で引っくりかえったので、しばらく添い寝してから写真を撮る。10
時半になって、ファミにバイバイして東京に戻る。猫バカの半日でした。


11月22日(日)  溝口ジャズ同盟の仲間でセッションライブ(用賀キンノツボ)。  このセッションは始めてから何と100回を迎えるそうだ。ぼくは当初か らのメンバーではないが、気持ち良く演奏できるのでここ最近は毎回来てい る。これもリーダーの千葉香織さんの人柄のおかげだろう。  2000円で飲み放題という破格の料金で、3時間以上も演奏したり、人 の演奏を聞いたりして過ごした。互いの人柄を知っていると、どんな演奏で も楽しく聞けるのは不思議なことだ。  バンドで練習した曲も披露したが、その頃には酔いが回ってしまって余り うまくできなかったな。  溝ジャズ大賞なるものもいただいてしまい恐縮。次の100回めざしてが んばりたいものです。
11月21日(土)  大学のJAZZ研究会の先輩ドラマーである藤田誠さんの結婚披露ライブ パーティーに出席。学生時代からお世話になっていた藤田さんだが、社会人 になってからもドラムを続け、セミプロのような活動をしている。奥様とは ライブの場で知り合ったそうだ。  パーティーはほとんど演奏づくしで、誠さんはほぼ出ずっぱり。懐かしい 顔ぶれに会うことができ、楽しかった。ぼくも2曲演奏した。九州からギタ ーの浜本さん、北海道からピアノの安部さんが来ていて、久しぶりの共演を したが、これがめちゃくちゃ良かった。浜本さんはアウトフレーズの得意な 新主流派型、安部さんはオーソドックスな演奏をする人で、正反対のスタイ ルなのにとても調和が取れている。いや、たまげました。最後はコンフント・ ヒバロによるサルサの演奏でにぎやかに締めましたが、音楽をやらない奥様 が終始にこやかに誠さんの演奏を見守っていらしたのが印象的でした。 どうぞお幸せに。 そうそう、前日はJAZZ研の後輩の小松君がブラジルから日本に帰国して いたので、昔の仲間で飲み会を催した。外務省の事務の仕事をつとめていて、 ブラジルに渡ってからもう随分たつ。今回は研修で帰国したそうだ。風貌は 余り変わっていなかったが、表情からは地に足をつけて生活している自信が 感じられた。11時すぎまで歓談。これからもがんばれよ。
11月15日(日)  サントリホールで、ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団の演奏を聴く。 曲目はブラームスの2番とチャイコフスキーの5番で、どちらも恐るべき名 演だった。  メリハリをはっきりつけたきびきびとした指揮ぶりで、スコアを丁寧に読 んでいる様子が伝わってくる演奏だった。普段聞こえないような細かなパッ セージがよく聞こえてきて、新鮮な印象を与えられた。ブラームスもチャイ コフスキーも、19世紀ロマン派というより、マーラーを準備する革新的な 音楽として捉えているようだった。  オケの性能はすばらしく、楽団一人一人の自発性が、全体の調和を生むと いう、理想的な響きを作りだしていた。日本のオケだと、周りと合わせるこ とに意識を尖らせるが、ドイツの一流オケでは個人個人が積極的に独自の音 楽を奏でようという姿勢が見られる。アンサンブルが合うのは結果の話で、 目的は良い音楽を演奏することなのだ。この違いは大きい。  チケットを取ってもらった著述家の守屋さんに、二人目の男の子が生まれ たとのこと。おめでとうございます。  ぼくが昔かまっていて急に姿を消したノラ猫のレドに出くわす。意外と近 くに住んでいた。まだノラ猫のままのようだったが、まるまる太っていて毛 並みもつやつやしている。近所の猫好きの人が世話をしているに違いない。 声をかけると気づいて寄ってきた。体を擦り寄せてきたので頭をなでてやる とすごく喜んで甘えてきた。歩くとついてくる。でも、新しい縄張りができ ているらしく、ぼくが自宅の方へ足を向けると、立ち止まってもうついてこ ない。ちょっと寂しいが、とにかく居場所がわかったので、これからちょく ちょく様子を見に行こう。
11月8日(日)  ヤマハのトランペット教室でレッスンを受け、それから浅草へ。 女優の 登坂倫子さんからの誘いでエンターテイメントアート・コラボレーションラ イブ "IMAGENE" に足を運ぶためだ。場所は浅草で、早目に着いて街をぶらぶ ら歩く。おいしいやきそばで昼ごはん。  "IMAGENE" は、音楽、ダンス、演劇、映像の各分野のアーティストが共同 して作った作品を発表する催しで、会場は広くはなかったが満員だった。チ ケットでビールをもらい、飲みながら鑑賞する。登坂さんは、松本公成さん という俳優と組んで、二人芝居を披露した。飛行機事故で死んだ夫の幽霊を 新居で待つ妻の話。夫婦愛がきめ細かく演じられていて感動的だった。生者 と死者の境界が表現されるともっと鮮烈な印象を与えられたかな、とも思っ た。他では、タクシーの運転手が休憩時に池のほとりにきて、タバコをくわ えると、何もしなくてもタバコに火がつく、という抒情的な映像作品が気に 入った。オーボエとピアノの生演奏での伴奏つきだった。  全体として、興味深い試みだとは思ったが、もっと一人一人のエゴを大事 にして、突っ走るべきところが突っ走るべきとも感じた。共演者に遠慮して やや表現が鈍感化しているところがあるように思えた。  終わって、ちょっと浅草をぶらついてから経堂のスタジオでサルサバンド の練習。
11月7日(土)   目が覚めたら何と午後の2時すぎ。最近夜更かしすることが多かったのだ が、その反動が一気にきてしまった。足を運ぼうと思っていた催しに行けな くなって残念。気を取り直し、夕方から天野行雄+山下昇平「快遊展」を見 に中野へ。二人とも「怪談」「妖怪」をテーマに創作することが多いアーテ ィストで、幻妖ブックブログともかかわりが深い。場所はG*cafeというアー トカフェで、怖くて楽しい作品の数々が巧みに配置されていた。昭和30年 代くらいのテイストが強く意識されている。ぼくが生まれたのは昭和39年 だが、若い彼らにとっては、もうその頃は完全にレトロの対象になっている というわけだ。  作品は、お面だとか、フィギュアとか、置物だとかカードとか、いろいろ ある。それらがオリジナルの箪笥に収められて展示されている。一回50円 のガチャガチャまであるのだ。独立した「美術作品」ではなく、お話が、異 世界が、まずあって、それから視覚上の工夫が立ちあがってくる。文章はな いが、これも一種の文芸なのだと言えよう。    帰りに中野の商店街を歩く。中野は食べる処がいっぱいあり、迷った末、 洋食屋に入る。とろとろ卵のオムライスを注文。うまい。