2009年6月

<TOP>に戻る


6月28日(日)
 終日雨。梅雨とはいえ、今年は実によく雨が降る。 
 お午に新橋のヤマハのTP教室へ。ジョージ・シアリングの難曲が課題曲
で、練習してきたつもりが惨々たる出来栄えだった。譜面を目で追うより、
感覚で掴む方法を覚えなければならない。
 喫茶店で時間を潰したあと、築地のキューバンカフェへ。4時に着いたら
店の入り口の前でボーカリストたちが合唱(コロ)の練習をしており、通行
人がびっくりしている。6時まで打ち合わせとリハ。7時から本番が始まっ
た。雨のせいか、お客さんがちょっと少なかったのが残念。それでも16曲
程演奏し、まずまずの盛り上がりを見せた。7月12日も新宿レオンで演奏する
が、その時はもう少し練られた演奏をしたい。


6月27日(土)  三毛猫ファミの様子を見に早朝実家に帰った。もう落ち着いていて、動作 もゆったりしている。ぼくのことはもちろんよく覚えていて、一緒に遊んで やるとすごく喜ぶし、おなかを出して甘える仕草もする。まだ二階の部屋が ホームベースなのだが、ぼくが一階の居間で両親と話し込んでいたりすると、 鳴きながら降りてきて、二階へ来て遊ぶように要求してくるのがかわいい。 いなだの刺身を土産に持ってきたが、今日は食べることより遊ぶことに夢中 だった。くたくたになった。今度何かおもちゃを買ってきてやろう。  夕方に実家を発ち、溝口のジャムセッションへ。
6月20日(土)  先週、かまっていたノラ猫のファミを家猫にすべく、伊勢原の実家まで運 んだのだが、何と父親が不注意で外に出してしまい、逃げてしまった。ほう ぼう探した揚句、近くのアパートの軒先にいることがわかったが、まだ家人 になついていないので近づくと逃げてしまう。近所の人にわけを言って、ご 飯だけ毎日置いていったという。  早く連れ戻さないとと思い、早朝、伊勢原に着いて教えてもらった場所に 行くと、果たしていた。呼ぶとすぐ来たので抱いて歩き、家に入ろうとした ら、噛むやらひっかくやらで、急に猛烈に抵抗し始めた。押し込んですぐド アを閉めたが、腕が傷だらけになってしまった。まだまだ住環境が変わった ことに不満があったらしい。鳴き声をあげていたので、本棚などがあって隙 間が多い二階の部屋に連れていったら、だんだん落ち着いてきた。奮発して カツオの刺身を買ってきたのだが、1パックを完食。二階のこの部屋は気に 入ったようだ。以前のように甘える仕草もみせた。背の高い父親はまだ怖が っているようだったが、母親にはなつき出している。一緒に遊んだり昼寝を したりして過ごし、情緒が安定したのを確認して東京に戻った。  猫の機嫌を取るためにはこちらの流儀を押し付けてはダメなのだ。猫の様 子をじっくり観察して、猫に合わせることが大事。一旦信頼関係ができると 今度は猫のほうがこちらに合わせてくれる。  また来週も様子を見にこよう。  さて、来週と言えば、築地のキューバンカフェでサルサのライブです。  お暇な方はどうぞ。
6月19日(金)  『てのひら怪談 己丑』の購入者特典のための、「てのひら座談会」を行 う。参加者は東雅夫・タカザワケンジ・辻に担当編集者であるポプラ社の斉 藤さん。最初に、非常によく売れていて評判も上々という話を聞き、ほっと する。稲川淳二氏によるすばらしい解説をヒントにしながら、約1時間、結 構熱く語ってしまった。コミュニケーションの文学である怪談が、情報手段 が発達した現在、どんな意味を持つのかはもっともっと検討されていい。  おとといは、都立大のジャミンでジャムセッション。ぼくの演奏を気に入 っていただいたお客さんから声をかけられて恐縮。
6月14日(日)  午後仕事をやり、夕方、新宿眼鏡画廊へ。
 知人の登坂倫子さんが運営しているステラ・アドラーの演劇クラスの生徒 さんの発表会を見る。九良賀野喜一、大塚正の二人の若い俳優がプイグの「 蜘蛛女のキス」を演じていた。  映画の「蜘蛛女のキス」では、境遇も性格も全く違う者同士が次第に歩み 寄っていく風であるが、この二人の演技では、もともとわかりあえ、共感し あえる素質を持った者同士が、故あって違う環境で生まれ育ち、天の配剤に よって、一種の「再会」を果たす、というように見えた。つまり、対立軸よ り共感軸が優位に立つ舞台だったということ。友情や恋愛より兄弟愛に近い ものが感じられた。これはこれで説得力があり、情緒の豊かな「蜘蛛女のキ ス」が楽しめた。  終わって経堂のスタジオに直行。サルサバンドの練習に参加し、12時に 帰宅。
6月13日(土)  夏の一大行事「ビーケーワン怪談大賞」の仕事が今年も始まった。毎年のこ となので準備にはさほど手間取らなかったが、とにかく投稿されてきた作品を 読むのが大変だ。既に良いペースで作品が集まってきている。『てのひら怪談』 の新刊も発売されたし、認知度もあがって新たな投稿者も増えることだろう。 選考委員の福澤徹三さん、加門七海さん、東雅夫さんも更に大変なことと思う。 何しろこのコンテストは下読みなしで全作品を審査員が読むのだから。一つの 文化を育てるつもりで、選考委員の先生方と一緒に頑張っていこうと思う。  面倒をみていたノラ猫のファミを実家で飼うことを決意し、キャリーバッグ に入れて電車で伊勢原の実家まで運んだ。実はこの1、2週間で面倒をみてい た他のノラ猫たちが次々と来なくなっており、猫嫌いの住民が保健所送りして いる可能性が捨てきれなくなったのだ。人の少ない始発で出発、のつもりだっ たが、これが結構混雑している。猫は初めての電車の振動にパニック状態にな り、ずっと鳴いて騒ぎ、周りの乗客に迷惑をかけてしまった。  6時半に伊勢原に到着し、家に連れてキャリーバッグから出したらすっかり おびえた状態になっていて、玄関の靴箱の細い隙間に身を隠して出てこない。 2時間程そうやっていて、やがて少しずつ家の中を歩き回り始めたが、ぼく以 外の人間には警戒心を持っているため、すぐ物陰に隠れてしまう。それでもや っと少しご飯を食べ、トイレも使って、眠ったのでひと安心。両親に礼を言い、 あとを頼んで東京に戻った。  夜、ジャムセッションに行って演奏したが、実家に置いてきた猫のことが気 になって仕方ない。来週も様子を見に行こうと思う。