2009年8月

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8月30日(日)
 新橋のヤマハでトランペットのレッスン。アドリブの際のスペースの作り
方の重要性を学ぶ。マイルスのように音数を減らさなくても、饒舌なソロに
おいてもスペースを大事にした演奏はできる、音楽的であることはスペース
を生かした演奏のことである―コードを追っかけることでひいひい言ってい
る身としては難しすぎる課題なのだが、その通りだと思う。演奏技術が多少
拙くても、あっと思わせる演奏は確かにあるが、それはスペースの生かし方
を心得ているからなのだろう。作曲の課題では、同じクラスの渡辺さんが隠
れキリシタンが伝えたモードの曲をアレンジして持ってきていて、その力強
さに感動する。
 一旦帰宅して、仕事をし、それからサルサのライブのため江古田バディへ。
新メンバーを加えての演奏が少しずつまとまりつつあるのを実感。終わって
パーカッションの西澤さん、トレスの小山さんらと打ち上げをする。

 前日は、溝口でジャムセション。週末は相変わらず音楽漬けだ。

8月23日(日)  明日姉がアメリカに帰るので、家族で集まって食事会。場所は伊勢原の山 水亭という豆腐料理屋。店に着いてみると、姪っ子の杏珠が何とセーラー服 を着ている。ぼくがあげた小遣いで買ったらしい。アメリカで育った彼女に とって、日本の女の子が着るセーラー服は憧れのファッションなのだった。 日本で良かったのは、ぼくが連れて行った浅草だという。2時間程食べて喋 って、父の誕生日も祝った。豆腐懐石はまあまあの味でした。記念写真を撮 った後、東京に戻ってサルサバンドの練習。来週は、江古田のバディで本番 なのだ。
8月22日(土)  ジャムセッション仲間と多摩川の花火大会へ。今年はぼくが場所取りを担 当したが、4時半に二子玉川駅に着くともう人がいっぱいで、駅の外に出る のもひと苦労の状態。会場に着くと良い場所はかなり取られていて、売店の ある会場端に場所を確保するしかなかった(花火を見るという点では、結果 的にかなり良い場所だったが)。  しばらくして、去年の場所とかなり違う場所を取ってしまったことに気づ いて関係者に連絡。でも割とわかりやすい場所だったのでみんな比較的迷わ ず着いた。ビールと焼酎、そして仲間の手作り料理を楽しみながら花火を見 る。  今年は斬新な趣向の花火が多く、特にドラえもんをイメージさせた花火は どうやって作ったのだろうと思わせた。とても楽しかったが、帰りの混雑に 愕然。もうちょっと河原で飲んでいれば良かった。
8月16日(日)  前橋文学館に足を運び、第16回萩原朔太郎賞受賞者展覧会「鈴木志郎康 ―『新生都市』から『声の生地』へ極私を開く―」を見る。  前橋まではぼくのいるところから電車で2時間半ちょっと。行きの電車の 中で、志郎康さんからいただいた分厚い詩集『攻勢の姿勢』を読む。この詩 集は、初期(1958年から1971年)の作品が収められている。それら は、奔放で奇想天外なイメージに溢れていて、その「攻勢の姿勢」に刺し貫 かれる感覚が快い。と同時に、その奔放な言葉のうねりを、距離を取って自 己解剖するような冷徹さも既にあるように思う。この詩集については、いず れまとまった考えを書いてみたい。  3時すぎくらいに文学館に到着。広瀬川がその前を流れており、その静か な流れの上に朔太郎橋がかかっている。文学の街らしい風情を感じさせる。 前橋文学館は品のある、清潔な印象の建物で、鈴木志郎康展は1階と3階で 開催されていた。1階では、魚眼レンズによる大判の写真、使用したカメラ が展示され、映像作品の幾つかが上映されていた。志郎康さんの魚眼写真は 何度も見たことがあるが、大きいサイズの作品は、事物の歪曲の具合が強調 されて、異次元の世界を見るような気になる。映画は、『極私的に遂に古稀』 と『眺め斜め』(出演/中沢新一)が上映されていた。『眺め斜め』は初めて 見たが、若き日の中沢新一氏の役者魂(?)にびっくり。『極私的に遂に古 稀』では比較的最近の作品だが、身辺のことや多摩美の生徒さんたちとの熱 いつきあいが、「ふわあー」と語られている。このプアプアならぬフワフワ 感は、撮影者が自己を関係の網の目の中の偶然の「出来事」として捉えて面 白がっている態度からくるように思えた。自己が、自生するねこじゃらしや 若い人たちの演劇作品の中に溶けだして、自己と自己でないものとの曖昧な 境界をクリアに描き出しているようだ。    3階は詩の展示で、多くの詩集、詩誌、ミニコミ誌を見ることができる。 有名な「凶区」は、思っていたよりもずっと洒落た造りの詩誌だった。名前 だけ知っていた昔の詩集がずらりと並んでいて、表紙がどれも皆個性的で面 白い。丁寧に造られた詩集というのは工芸品としての価値というものもある のだなあと感じられた。特に珍しかったのはミニコミ誌「徒歩新聞」で、こ れは詩誌ではなく、街を歩いた記録や印象を、自由気儘に綴ったものである。 何ということもない内容だが、体と土地が接するナマの感触が良い。「主婦 の作文」という女性の生活コラムもユーモアがあって楽しめる。  活字という媒体の特性がいろいろな面で生かされていて、言葉の中身だけ でなく、言葉が置かれる場のことがきちんと考えられている。それはつまり、 読む「人」のことを考えているということであり、とても好ましく感じられ たのだった。
8月15日(土)  江ノ島散策の日。  まずは新江ノ島水族館。水族館は実に久しぶりだったけれど、楽しいもん ですね。エイとか魚群が視界いっぱいを泳ぐのを見ると、やっぱり心が驚き でいっぱいになる。イルカは、遠くから見るととてもかわいいけれど、近く で見ると結構な迫力があり、泳ぐ速度も異様に速くてちょっと怖い感じもし ました。飼育員に甘えていたりもするのだが、その気になれば一発で人間を 殺せるんですよね。もっとも、イルカのような動物を水族館で飼うこと自体 を疑問視するような声もあるようだが。  横で子供たちが口をあんぐり開けて見入って、魚やカメに見入っていたが、 自分の昔の姿を見ているようだ。おやつにトルコアイスを食べたのだが、ト ルコ人の業者が粘つくアイスを伸び縮みさせる演出をしてみせてくれて、こ れも楽しかった。  その後、島に渡ってお昼。定番の生シラスを食べる。その後、神社でお参 りしたりタワーに登ったりと、人並みの休日らしいことをしました。江ノ島 は、はっきり言って大した名所はないのだが、全体がかわいい感じにデザイ ンされていて、歩きやすく、予算も手頃で済む。観光の街としてうまく運営 されていると思う。  帰りに同行人とビヤホールで食事して解散。 
8月12日(水)  アメリカから休暇で帰国している姉と姪のために、上野にホテルを取り、 東京ライフを楽しんでもらうことにした。午後1時に待ち合わせをし、まず 秋葉原へ。案内役のはずが、アキバには疎いためちょっと迷ってしまった。 姪は、アニメ&ゲームショップの数の多さにびっくりしていたが、この街は もともと男性のオタク仕様に作られているためしばらくすると飽きてしまっ たようだ。これはいかんと思い、浅草へ向かう。雷門から仲見世通りを抜け るだけだが、姪は道の両脇に並んだ店で売っているかわいい品々に夢中にな ってしまった。アニメの影響で、お稲荷さんなどの日本のキュートな化け物 が大好きなようだ。確かにああいうテイストのお化けは欧米にはいない。浴 衣や草履を買ってもらったり、和風のアクセサリーを覗いたり、巨大提灯の 写真を撮ったりで終始ご満悦の様子だった。浅草寺でお参りをし、ラーメン を食べて終了。日本マニアのアメリカの女の子の考え方がわかって(?)有 意義な一日でした。
8月10日(日)  溝の口ジャズ同盟と町田でジャムセッションをやっているグループとの恒 例の合宿に参加する。  9日の朝に溝口に集まり、バスで九十九里へ。お昼はいわし専門店で、刺 身定食を食べたが、新鮮でおいしかった。海でドッジボールやすいか割りを 楽しんでから、合宿所へ。  荷物を置いて落ち着いてから、組に分かれてバンド練習。課題曲(Softly As A Morning Sunrise)の他、自由曲(おいしい水)を練習する。夕食をは さみ、10時から発表会を行う。各バンドが2曲ずつ練習の成果を披露し、 聞いている人は感想を書く。このキマジメなところが、この合宿で気に入っ ているところだ。12時頃発表会が終わり、その後ずっとフリーセッション に入る。ぼくは3時頃にリタイヤしたが、もっと遅くまで演奏していた人も いたようだ。ジャズバカが集まるとこういうことになる。  翌日もさらっとセッションをした後、バスに乗って帰路へ。途中温泉に寄 ってサッパリし、記念撮影をした。  今年も本当に楽しい音楽合宿ができて満足だ。来年もぜひまた参加したい。
8月5日(水)  午後5時より、銀座のマイスペースで第7回ビーケーワン怪談大賞の選考 会。ほぼ時間きっかりに全員がそろう。  今回は昨年より投稿数こそやや少なかったが、全体のレベルは上がってい て、特に上位の作品はどれも甲乙つけがたい出来。昨年は比較的すんなり入 選作品が決まったが、今年はかなり難航し、予定の3時間をまるまる使い切 っての選考となった。それでも、結果として力のこもった良い作品が選出さ れ、主催者側としては満足。選考委員の皆様、今年も本当にありがとうござ いました。それにしても、お礼も余り差し上げられないのに最後まで一作一 作と真剣に向き合う加門七海先生、福澤徹三先生、東雅夫さんの粘りと情熱 に驚かされる。  終わって、近くの日本料理店で打ち上げ。加門先生から愛猫ノノちゃんの 写真を見せてもらう。スラッとした美人猫さんだった。11時頃まで飲んで 喋って楽しい時を過ごしました。
8月1日(土)  アメリカで結婚生活を送っている姉が娘を連れて久しぶりに帰ってきたの で、顔を合わせに伊勢原へ。  姪の杏珠は、今年で14歳。前に会った時はまだ幼稚園児くらいの時だっ た。随分成長して、きれいにもなった。もう姉の背を追い抜いている。絵を 描くのが趣味だと聞いていたが、スケッチをしているのをみると確かに上手 だった。日本のファッションやカルチャーに興味があるようだったので、今 度案内してやろうと思う。姉は少し前に大きな病気をしたので心配だったが、 元気な様子だったのでひと安心。