2010年10月

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10月31日(日)
 新橋ヤマハのトランペット教室へ。今日の課題はドナ・リーをDのキーで、
ソロ、ベースライン、コンピングの全てをこなすこと。コンピングについて
は、ただのおとなしい伴奏ではいけないと注意を受ける。相手の音を大切に
しながら、きちんと自己主張をしなければならない。頭では理解できるが、
実践するのは大変だ。昔のディキシーランドジャズの演奏家たちは何とすご
いことをしていたのだろうか。
 終わってトロサンマ丼を食べ、帰宅してちょっと昼寝。ノラ猫のクロが家
に入りたそうにしていたので入れてやると、ストーブの前で眠ってしまった。
 藤本壮介についてのエッセイの続きを書き、インドカレー屋でマトンカレ
ーを食べてひと息入れる。帰ってドラマ「獣医ドリトル」を見る。ハムスタ
ーとフェレットが登場した。動物が手術を受けて意識不明になっている様子
(本当はただ寝ているだけなのだろうが)には涙せずにいられない。
 藤本壮介についてのエッセイを完成。ノラ猫クロはいつのまにか雨の中、
外へ出て行ってしまった。


10月30日(土)  昼間、この間見た建築家藤本壮介の個展についてのエッセイを書き、夕方 から溝口のジャムセッション。トランペッターがぼくを含んで5人。内2人 は女性だった。最近トランペットが人気なのはなぜなのか? 打ち上げにも 参加し、特に新人のベースの方とお喋りする。 
10月28日(木)  12月11日に用賀キンのツボで行うライブのためのジャズバンドのリハ。退 社後、津田山の木下医院に急ぐ。ベースの木下さんの耳鼻科の医院だが、上 の階がスタジオになっているのだ。  少しずつ演奏しながら曲のスタイルを決めていく作業が楽しい。こういう 地道な練習はやはり大事ですね。ウェイン・ショーターの曲を多く取り上げ た。  10時前に終わってビールで打ち上げ。
10月26日(火)  退社後、ニコラウス・アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥス・ ムジクス他のバッハ「ロ短調ミサ曲」を聞く(サントリーホール)。  アーノンクールは、古楽のパイオニアとして伝説的な存在だが、日本での 今回の公演が海外活動の最後を締めくくるものだという。ご高齢なので仕方 ないが、寂しい気もする。と同時に、聞いて良かったとの想いも新たにする。  とにかくすばらしい名演だった。アーノンクールの音楽作りは過度に劇的 な演出を排した、とても穏やかで繊細なもの。フレーズとフレーズの対話を ひとすら丁寧に掬い取っていく指揮ぶりだが、その対話を大事にする姿勢が、 全体の力強さにつながっていく。オーケストラや合唱団(アーノルト・シェ ーンベルク合唱団)、ソリストの技術も高く、特に金管楽器は恐いくらいう まかった。とにかく、音に全く力みがなく、ごく自然に歌い上げることでダ イナミックな音楽が出来上がっていくという理想的な展開。いやあ、参りま した。こんな音楽が聞けて、本当に幸せです。  終わっていつもの中華料理店で守屋さんたちと食事。
10月23日(土)  昼間、TBSドラマ「獣医ドリトル」を見て、思わず涙してしまう。やっ ぱり動物モノはいいですね。  夕方、外苑前のワタリウム美術館に藤本壮介展「山のような建築 雲のよう な建築 森のような建築」を見に行く。これは大当たりだった。  建築の美術展とは言っても、完成された建築物の写真や建築図が展示され ているのではない。この美術館は2F、3F、4Fが展示室となっているが、 2Fでは吹き抜けのスペースを活用し、透明なプラスチックの素材(ぎざぎ ざのある筒型)を連ねたインテリアを展示。壁にも椅子にも天井にもなる不 思議なオブジェという感じだった。鍾乳洞の内部のイメージに一番近いだろ うか。3Fにはたくさんの建築模型を展示。いわゆる建築模型風なものもあ るが、多くは建築をモチーフにした思考の遊びの三次元メモという感じ。ど の作品にも一言コメントが添えてある。おにぎりの模型を置いて、米という 素材の内容と外側の一致について考えたり、葉っぱの模型を置いて、昆虫が ら見た素敵な建築の像を考えたりと、とにかくイメージが奔放で柔軟。4F は、青山周辺を基にして、長い針金に発砲スチロールを刺したものを稲穂の ように連ねて、新しい都市空間のイメージを演出。浮遊する建築群の中から 盛り上がりが生まれ、「山のような建築」を成す。  彼の作品で面白いのは、自然・都市・建築・部屋の区別を取り払うことで、 それらを地続きのものと考え、あえて非機能的な迷路のような空間に仕立て て、その中の楽しみ方を住民に発見させようとするところ。機能を考えてか ら作るのでなく、遊びの余地の多い空間を作ることが先決で、機能は後で考 える(或いは考えさせる)のである。この考え方は、詩にもジャズ演奏にも 応用できるな、と思った。とにかく新鮮だった。  ワタリウム美術館の地下の書店のスペースで、映像作家の大木裕之がやは り建築をテーマにした展示を行っていた。彼が足を運んだ場所のイメージを ヘタウマな図で並列的に示したもの。アクションペインティングのような感 触の作品だった。  帰りに「ときの忘れもの」で駒井哲郎展も見る(まだ準備中だったが)。  渋谷方面へぶらぶら歩いて帰る。前から気になっていたカレー屋に入り、 チキンカレーを注文。よく煮込んだ感じの、コクのある味だった。
10月20日(水)  仕事中にピアニストの千葉さんから携帯にメールが入り、妹さんが名古屋 から来ているので一緒に晩御飯でも食べないかと誘いを受ける。早目に退社 して、自由が丘のちょっと洒落た居酒屋に入る。妹さんは結婚して名古屋に いるが、近々旦那さんの転勤の都合で京都に移るのだとか。千葉さんはしっ かりした感じだが、妹さんは甘えん坊風で、性格は逆に見えるが、ふとした 時に覗かせる表情がそっくりなので面白い。動物好き、特に猫好きというこ とで、そちらの方面の話が弾んだ。お土産に和菓子をいただく。帰宅して栗 入りのどらやきというものを初めて食べ、おいしかった。
10月17日(日)  知り合いのベーシストの高野さんに誘っていただいて、目黒のアイリッシ ュパブSeamus O'haraでジャズの演奏。  リハーサルのために早目に足を運んだら、リハーサルは何と別の場所であ ることがわかり、ぶっつけ本番で演奏に臨むことに。空いた時間で、目黒美 術館の方まで散歩し、一般公募の染織の展覧会などのぞく。なかなかきれい で心がなごむ。  5時頃メンバーが店に到着したので自己紹介をしてから打ち合わせ。6時 からスタート。店が小さいのでほとんどミュートをかけて演奏した。前半お 客さんが少なかったのでハラハラしたが、後半にどっと増えた。演奏は無難 な出来だったかと思うが、ギター、ベース、ドラムス、トランペットという 編成は間があきすぎて音がスカスカになりやすい。ちょっと淡々とした演奏 になってしまい、濃密さが足りなかったようにも感じた。アンコールのIs'n t she lovelyの出来が一番良かったかもしれない。  終わってビールを飲みながら雑談。帰りに塩ラーメンを食べ、10時すぎ に帰宅。
10月16日(土)  溝口でジャムセッション。今日は遅刻せずに到着しました(笑)。  初めての人が何人かいたが、気持ち良く演奏してもらえたようでほっとす る。打ち上げにも参加して11時すぎに帰宅。
10月15日(金)  退社後スクロヴァチェフスキー指揮読響の演奏会を聞きに東京芸術劇場へ。 曲目はシューベルトの「未完成」交響曲とブルックナーの第8番。  相変わらずきびきびとした音楽作りで緊張感が漲っている。特に「未完成」 がすばらしく、孤独の影をくっきりと演出しながら感傷的にならない。ブル ックナーも曲の組み立てをじっくりわからせてくれるような知的な演奏だっ たが、読響の金管の鳴りがイマイチ。特にトランペットは不調で、唇の調子 が悪かったのかと勘繰りたくなる程だった。弦は非常にすばらしいし、木管 もまずまずなのに(フルートの首席はうまい!)、なぜ金管はダメなのか。 日本のサッカーがパス回しはうまいのに得点力が弱いのと何か関係があるの だろうか。全体としては雄大な流れの演奏だっただけに残念でならない。  終わって、守屋さん、田沢さん、原口さんと中華料理店で食事。 
10月10日(日)  昨日今日で実家に帰り、猫たちの様子を見る。  二匹の猫のうち、レドは久しぶりだったからか、最初はぼくに近づこうと せず、少し寂しい想いもしたが、しばらくするとうちとけてきて、膝に飛び 乗って甘えてくるまでになった。一旦甘え出すととことん甘えるところは相 変わらずだ。ファミはマイペースさは変わらず。結構長い間遊んだ。  築40年近い実家はリフォームの最中で、父親からいろいろ相談を受けた。 リフォームの全体的なアイディアはよく練られていて申し分のないものだっ た。  ただ一回事件が起きた。天井の様子を見ようと脚立を出してそのままにし ておいたら、ファミが脚立づたいにリフォーム中の壁から天井裏に侵入して しまった。猫ってすごく細い隙間からも簡単に入れるんですね。仕方がない ので屋根裏に昇り、ファミを見つけて保護したのは良かったが、その間にレ ドが屋根裏に興味を覚えて駆け昇ってしまった。しばらくして降りてきたが、 ファミもレドも屋根裏の存在を初めて知り、興味しんしんの様子。危ないの で屋根裏へ通じる穴を布で塞いだ。  泊ることにし、夜になって寝ていたら、朝方近く、ファミとレドがぼくの 寝ているところまで遊びに来た。レドとはしばらく一緒の布団で寝る。  日曜も猫と遊んだり、コルネットの練習をしたりして過ごし、夕方東京に 戻る。少し休んでからサルサバンドの練習へ。
10月3日(日)  知人がバックの音楽をつとめる「甘ったれ末っ子」というユニットの公演 を見に行く(南青山MANDALA)  男性の役者4人によるトークと歌のショーなのだが、全員が末っ子である ことからこのユニット名になったという。男4人のおしゃべりというのは余 り聞かないが、ちょっとかわいかったし(笑)愉快だった。皆カッコよい風 貌で、女性のお客さんが多かったのも頷ける。歌は…まあまあうまいという 感じだったが、楽しく聞けた。バックミュージックはとてもよくできていた。 終わって知人に挨拶し、渋谷まで歩いて帰る。途中、カレーうどんの専門店 で黒カレーうどんなるものを食べる。なかなかおいしかった。