2010年11月

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11月27日(土)
 猫たちに会いに実家へ。実家は、床や外壁を全てリニューアルする大掛か
りな改装工事を行っている最中。今日見た感じでは、内装はほぼ終わってい
るようだった。古い建材の上に新しく張った檜の質感が良い。小さな物置部
屋もできて、スペースが広がった。外の光を取り入れた小さな天井窓もいい
感じだ。まずは成功と言っていいだろう。テレビも買い換えていた。
 猫たちは相変わらず元気で、ご飯もよく食べる。背の高い冷蔵庫や食器棚
の上に頻繁に昇って昼寝を楽しんだりしている。夕飯にサバの焼いたものと
カボチャのスープを食べる。このスープがとてもおいしかった。10時頃東
京に戻る。

 北朝鮮から韓国への砲撃事件の影響で、朝鮮学校の無償化が白紙に戻って
しまったようだ。民主党はリベラルを売りにする政党のはずなのに、残念で
ならない。子供たちの権利を重んじて無償化はさっさと実現し、北朝鮮の政
権批判はそれでそれでしっかりやればいいと思うのだが。しかし、今回の件
は、どうも保守層の圧力によるものだけではないような気がする。民団のサ
イトを見ると、朝鮮高校の無償化を疑問視する記事が幾つも載っている。公
金投入の条件をつけた橋元知事を支持しているようでもある(逆にいえば、
民団の支持を背景にしての「北朝鮮はナチスと同じ」発言なのではないか)。
もちろん民団は朝鮮総連とはライバル関係にあるのだから、韓国学校が朝鮮
学校より優位に立つよう工作するのはむしろ当たり前であろう。しかし、同
じ民族なのにここまで露骨に反対するとは。菅・仙谷政権は、親韓国の姿勢
を貫く余り、民団の言いなりになってしまっている面があるのではないだろ
うか。この政権は、民意の汲み取り方や政策執行の段取りは下手だが、基本
的な姿勢はリベラルで好感が持てるという印象を持っていた。しかし、今回
の判断はリベラリズムの原則に反するものであり、どうにも納得がいかない。
日本を排外主義の国にしたくはないなあ、とため息。


11月23日(火)  溝口ジャズ同盟のセッション120回記念ライブに参加。120回ってす ごいですね。月2回程度のペースを5年程も続けている計算になる。  4時半にライブ居酒屋「キンのツボ」に集まってスペシャルバンドのリハ。 6時より本番。飲み放題のライブ演奏は楽しいけれど危険だ。いい気になっ てバランタインの水割りを何杯もおかわりしているうちにすっかり酔っ払っ てしまい、後半のステージでは何を演奏したか余り覚えていない。まあ、こ ういう催しは楽しければ良いでしょう。親しい人の演奏もたくさん聞き、余 興のハンドベルやボディパーカッションも楽しんだ。  来年もこんな会が開けるといいなあ。
11月21日(日)  まだ風邪が治らない。疲れているせいか。  昼間寝て、午後、世田谷美術館に足を運ぶ。「橋本平八と北園克衛」展を 見るためだ。橋本平八は木彫りを得意とする彫刻家で、詩人北園克衛の兄だ という。一見、民芸的な作品なのだが、はっとさせる程モダンでオシャレな 工夫が随所になされていて、近づいてじっくり見るとびっくりさせられる。 北園克衛とは非常に仲が良かったらしいが、スタイリッシュなところはそっ くりかもしれない。北園克衛の広範に渡る仕事も丁寧に紹介されていて、と ても面白かった。  見終わって、誰かと喋りたい気がして、ピアニストの千葉さんを呼び出し、 居酒屋で2時間ほど飲む。
11月19日(金)  詩誌「モーアシビ」の発送作業。五十嵐さんが遂にポエムカフェを開店す ることを知る。おめでとうございます。必ず行きます。今号は充実した作品 が多かった。家族や友人の話を書いたものが多い。詩誌だからといって、新 奇なレトリックを駆使した作品を載せる必要なんてないのだなあと考えさせ られた。  終わって中華料理屋で打ち上げ。
11月15日(月)  千葉香織クインテットのリハ。風邪が悪化していて、集中力が落ちている。 まずいな、と思いながら何とか要所を確認。ジョー・ヘンダーソンの曲をた くさんやったが、難しいが魅力がある。うねうねとして着地点が見つからな いような曲だ。  終わって、おいしいと評判のラーメン屋さんに行ったが、風邪をひいてい たため半分くらいしか味がわからなかった。残念。
11月14日(日)  クロコダイルでサルサのライブ。ここに出演するのは約1年ぶり。4時す ぎに店に入ったが、懐かしい気持ちでいっぱいになる。1時間弱程リハーサ ル。その後、天ぷらうどんで夕食。実は風邪をひいていて、喉が腫れている 状態。うどんを飲み込むのもひと苦労で、本番うまくできるかどうか不安に なる。  8時に演奏がスタート。新メンバーを迎えて半年以上たつが、ようやくノ リがこなれてきて気持ち良く吹けた。昔のように濃厚なノリではなくなった が、その分軽快になり、合わせやすくなった。お客さんはたくさん来てくれ て、ほぼ満員状態。嬉しいですね。ただ、喉の調子が後半悪くなってきて、 ミスが多くなってしまったのが悔やまれる。うーむ、やはり健康管理も演奏 のうちですね。反省しなければ。
11月7日(日)  昼に起きてちょっと仕事。それから千葉香織クインテットでやる曲をさら う。ジョー・ヘンダーソンの曲がトランペットで吹くには余りにも難しい。 どこで手抜きするかを考えるのも練習のうちだったりする。それからぼくが やりたい曲の譜面を作り、そのファイルを共演者たちに送る。結構時間がか かってしまった。  コンビニに行く途中で中古CD屋に寄り、ノリントン指揮ロンドン・プレ イヤーズのベートヴェン2番&8番、ティト・プエンテの「マンボ・オブ・ ザ・タイムス」を買う。ベートーヴェン2番&8番も、先週買った1番と同 じくベートーヴェンの交響曲の中では人気が今ひとつだが、実は随所に面白 いリズムの工夫が凝らされた、興味の尽きない音楽。ノリントンの指揮もメ リハリが効いていてとても良い。その後でティト・プエンテを聞くと、ベー トヴェンと結構共通点があるように感じられるから不思議だ(笑)。  疲れたので昼寝をし、起きると7時半。慌ててサルサバンドの練習に行く。 来週はクロコダイルでライブだ。
11月3日(水)  昼前に起きてちょっと仕事。お昼の寿司弁当を買いに行く途中、中古レコ ード屋でフルトヴェングラー指揮ウィーンフィルのベートーヴェン1番&4 番のCDを買う。早速聴いてみると、リズミカルなすばらしい演奏。録音の 古さを感じさせない。1番は久しぶりに聞いたが、生命力が横溢したスケー ルの大きな音楽だと思う。初期ベートヴェンは過小評価されがちだが、リズ ムの扱いはすごく革新的だと思う。  少し昼寝してサントリー美術館へ。「歌麿・写楽の仕掛け人 その名は蔦 屋重三郎」展を見る。これは期待以上の部分と期待はずれな部分が半々だっ た。歌麿、写楽、北斎の名作がたくさん見られたという点では満足だった。 浮世絵は時々むしょうにみたくなる時がある。キッチュで下品すれすれの大 胆な構図と繊細を極めたタッチに接すると新鮮な気分になれる。数の上では 歌麿が特に充実していた。写楽も有名な作品が幾つも展示されていた。  但し、展覧会の主人公は、江戸の版元/名プロデューサである蔦屋重三郎 であるのに、当時の出版や美術品の流通の状況が余り詳しく説明されていな いことには大きな不満を持った。彼が芸術家たちとどういうつきあいをし、 どういうマーケティングを展開したかに興味を持って足を運んだのにがっか りだ。キュレーターが腕をふるうチャンスだろうに。  帰ってスーパーで買い物をし、それから延々と仕事。テレビではメドベー ジェフ大統領の北方領土訪問のニュースを盛んに流している。何だか100 年前の帝国主義時代の世界に戻ったような感覚に陥る。