2010年9月

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9月26日(日)
 恒例の甲府のサルサフェスティバル出演。
 7時半頃新宿に集合。ビールを買い込み、有志のお客さんも乗せて8時20
分頃バスが出発。朝からビールとワインを飲み、いい気分になったところで甲
府の風土記の丘公園に到着。
 散歩したりリハーサルをやったりしてお昼。メンバーの渡辺さんが焼いてき
てくれたおいしいパンにコロッケやメンチカツをはさんで食べる。モヒートも
飲む。1時頃、演奏が開始。ウチは4番目に演奏。酔っていたのでちょっとミ
スはあったが(笑)、無難にやれて、お客さんはンリノリで踊ってくれた。ラ
ストのバンドはプロのバンド、SALSA SWINGOZA。トロンボーン4人のホーンの
響きが落ち着いていて良い。雨が降ってきたが、皆帰らないで踊りながら聞い
ていた。
 この催しも今年で20年目になる。そしてウチのバンドは20回出ている。
この催しとともに成長してきたと言えるだろう。何やら感慨深いものがある。
 
 6時すぎにバスに乗り込み帰途へ。行きは空いていたが、帰りの道路は混ん
でいて新宿に着いたのが10時半近く。お疲れ様でした。

 前の日記で、尖閣諸島問題のことで管政権の悪口を書き散らしてしまったが、
頭を冷やして考えてみると、彼らは精いっぱいやっているかもしれない。相手
と交渉せずに船長を釈放してしまったこととか、地検に政治判断させたことは
今もって不手際だと思う。それで思わず頭に血がのぼってしまったのだが、領
土を侵されてもナアナアで収める自民党流のやり方ではなく、きちんと勝負し
て筋を通したことは長期的に見れば日本にとっても周辺国にとってもプラスか
もしれない。中国は、覇権主義に陥っていて、戦前の日本やドイツのような恫
喝外交を行っている。昔からそうじゃないかと言われればそれまでだが、経済
大国に成長した現在、中国の人権無視や周辺国への威嚇に対し、どこかの国か
機関が歯止めをかけに行かなくてはならないように思える。管政権は、ミャン
マーからの難民を受け入れたし、脱北者の保護にも関心を持っている。人権を
大事にするその姿勢をもっともっと評価しなければならないかもしれない。船
長を釈放したのはアメリカの指示と思われるが、アメリカはまだまだ日本に対
して影響力があるから、それはまあ仕方がない。
 日本は過去の戦争犯罪を反省する立場から、同じ道を歩もうとしている隣国
を叱る義務があると言えるのではないか。それを、軍事力に頼らず、論理と法
を駆使し、国際社会と協調を取りながら進めて欲しいものだ。中国を憎むので
なく、愛すればこそ、の精神を発揮して、難局を乗り越えて欲しいものだ。


9月24日(金)  ちょっと前に管政権は期待が持てると書いたが早くも前言撤回せざるを得な いようだ。中国人船長を釈放したのが悪いのではない。やり方がいかにもまず いのだ。  釈放するなら早い段階にさっさと釈放すべきだった。最初から捕まえたりし ないで威圧するだけでも良かったかもしれない。国内法で処理すると方針を固 めたのなら経済制裁など覚悟の上で起訴して対決すべきだった。また、日中関 係悪化を憂慮して末釈放するのであれば管総理か仙石官房長官のような政権ト ップが表に出てきて発表し、説明すべきだった。だが、そのいずれでもなく、 地検が何と「政治決断」をしてしまった。しかも、軍事関連施設を撮影した疑 いで中国当局に拘束された会社員4名はいまだに拘束中というではありません か。まさに最悪の展開。  こんなグダグダな対応では、沖縄の漁民の方々も、拘束された会社員の方も この先安全ではいられない。更には中国とのトラブルに悩む東南アジアの人た ちも危険に晒すことになるのではないか。全く。  場当たり的な政権運営は危険極まりない。結局アメリカに頼ることになり、 今までの「脱アメリカ・東アジア共同体の一員としてのアイデンティティの再 構築」という理念は水泡と化してしまった。  管も仙石も、本音は親日的な韓国に対してなら適切な対応が取れるが、日本 とは異質な共産主義国家への対し方がわかっていないということか。経験値が 少なくて困ってるのなら、識者を集めて意見を聞けよ。もしかしたらそういう 知恵袋もいないのかな。久々に腹が立って眠れないです。
9月23日(木)  午後仕事をして、ブリジストン美術館で開催中の「ヘンリー・ムーア 生命 のかたち」展へ。  彫刻作品は余りなく、素描やリトグラフが大部分。しかし、展覧会はこうい う「目玉作品」抜きのものの方が面白い。ヘンリー。ムーアがかなり真面目な 人生探求派であり、神秘主義者であって、抽象表現など少しも目指していない ことがわかったのが収穫。特に、ストーンヘンジをテーマにした連作に、鬼気 迫るものを覚える。  見終わって、銀座の博品館劇場でTAP DO!の公演を見る。ちびっこも含む若 いダンサーたちを迎えての賑やかな舞台だった。いつもながらのネタの豊富さ と着替えの早さ、運動量の多さ、小道具の使い方のうまさに脱帽。2時間があ っという間にたってしまった。終わってキーボード担当の千葉さんに挨拶。  それにしても尖閣諸島問題、困ったことになりましたね。この件をきっかけ にまたアメリカの影響力が強まってしまいそうなのが癪です。もちろん中国の 余裕のない態度は何とかしてくれという感じですが。
9月20日(月)  午前いっぱい寝て、森美術館の「ネイチャーセンス」展へ。 吉岡徳仁、篠田太郎、栗林 隆という中堅のアーティストによる「自然」をテ ーマにした企画展だが、何というか、いかにも森美術館らしい展覧会だった。  吉岡徳仁による、羽毛を扇風機でダイナミックに吹きあげるインスタレー ション「スノー」。東京の都市&田園風景の映像を三面の巨大なスクリーンに 映しだす「残響」。和紙などで作った白い林を、会場に張られた膜の割れ目か ら首を出して覗く仕組みになっている「林による林」。どれも手が込んでいて 見ごたえがあった。が、全体の枠組みとしては、「自然・科学・文化」の結び つきを強調する、松岡正剛的な環境感がガッチリと存在していて、自由さが余 り感じられない。主催の森ビルが持つ都市観を、アーティストたちが作品でも って啓蒙するといった側面が強すぎるのだ。森ビルの都市論が悪いというので はないが、芸術作品は、アーティストの個人性をもっと大事にした方が楽しく なるのではないかと思うのだ。
9月19日(日)  都立大のjamminの「アマチュアバンドライブ」に出演。ポップスのバンド も含めて幾つものバンドが聞けた。ガトー・バルビエリのような吹き方のサ ックスプレイヤーがいるバンドの演奏がダイナミックで面白かった。ぼくが 入っている千葉香織クインテットは、新主流派の曲を4曲演奏し、まずまず 好評だった。自分としては、テーマの演奏で幾つかミストーンを吹いてしま ったのが悔やまれる。ちょっと力みすぎたか。  終わってから、年配のピアニストが山下洋輔スタイルでAll The Things You Are を演奏。一見ハチャメチャに聞こえるがちゃんとAll The Things You Areの進行に沿っている。フリージャズを聞く機会は少ないので楽しん だ。余興のジャムセッションをやり、ワインとビールを飲み、11時すぎに 帰宅。
9月12日(日)  藤沢のライブハウス「インタープレイ」でサルサのライブ。この店はいつ もラテン好きのお客さんが盛り上げてくれるので気合が入る。  準備をしていたら衣装のシャツのうち緑の奴がない。うーん、どこへ行っ たのか。ギリギリまで探して見つからないのであきらめて出かける。着いて すぐリハ。今日は赤の衣装だけでお願いしますと謝る。リハ終了後、近くの 揚げ物屋で夕食。カニクリームコロッケがおいしい。くつろいでいたら本番 の時間が近づいていることに気付いて急いでインタープレイへ。かなりの数 のお客さんが集まっていた。  休憩をはさんで2時間ちょっと演奏したが、やはりこの店の盛り上がりぶ りは尋常ではない。後半、ノリすぎてちょっと演奏がザツになってしまった ところがあったが、それくらい楽しそうに踊ってくれるし、座っている人も ちゃんと聞いてくれる。この、サルサを「聞いてくれる」人というのはなか なかいないのである。日本で長い間サルサバーを開いていたドミニカ人アリ スの送別もできた。日本でサルサの普及につとめてくれた功労者だ。ニュー ヨークでもお元気に。  終わってからインタープレイが入っているビルの地下のバーで飲む。落ち 着いた雰囲気の良いバーだ。バカ話をしているうちに終電近くになり、慌て て帰宅。
9月4日(土)  渋谷のマイ・スペースで詩の合評会。今日提出された作品の中では、川上 亜紀さんの「夏、スズキくんの映像」が特に面白かった。ある夏の日、作者 はこれから始まる一日の情景を既に予感して、「たとえば」というふれこみ で、現在進行形の出来事を過去のシーンのように語る。すれ違った男性をと っさに「スズキくん」ではないかと思うが、思っただけで、実はその「スズ キくん」には覚えがない。自分が生きている日常を、ファイルのように検索 可能なものとして捉える感性が面白い。ネット時代ならではの表現か。  五十嵐倫子さんが念願のポエムカフェを開店する準備を進めているとのこ と。楽しみです。応援してます。