2011年7月

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7月30日(土)
 午後個展を二つ見る。一つは中元紀子 詩写真展「魂の宴 写真と言葉が灯
す光」。会社のお客様からご案内を受けた写真展で、モノクロの写真に短い
詩の言葉が添えられている。尾道の街の素朴な風景や集合写真・スナップ写真
が展示されている。気取らぬ中に暖かさがにじみ出て、楽しめた。「ガウディ
ハウス」と題された、ちょっと奇妙な形の建物を写した一枚がユーモアがあっ
て面白かった。
 もう一つは京王プラザホテルのロビーギャラリーの林・恵子展「てんとうむ
し・瑞虫(ずいちゅう)」。今回は、布アートが主だった。日本の伝統的な模
様とてんとうむしの図柄をミックスさせたデザインが新鮮だった。てんとうむ
しはおめでたい雰囲気が出るので、華やかな感じのする素材には合うのだろう。
 見終わってから小田急線に乗り、伊勢原の実家へ。家に入ると猫たちが出迎
えてくれた。二か月ぶりだが、忘れられてはいないようだ。ぼくが歩く方につ
いてきてくれるので嬉しくなる。二匹とも以前に比べて随分落ち着いた感じに
なっていた。だが、真夜中に二匹でつるんで家の中を探索する癖は直っていな
い。レドの体が大きく、丸くなっているのに驚かされた。甥っ子が遊びに来て
おり、夕食をともにする。今年大学受験なので大変なようだ。二階の部屋のス
テレオセットに手が加えられていて、CDやFM放送がいい音で聴けるように
なっていた。
 
7月29日(金)  退社後、詩集『真空行動』の再校を持って七月堂へ。修正部分のチェック を行い、表紙のイメージを見せてもらう。一目で気に入ったものがあった。 さすが内山さんだ。知念さんから装丁全般についての話をうかがう。こちら も今日でだいたい固まった。知念さんにもこの詩集は気に入っていただけた ようだ。ノラ猫の話もする。七月堂には二匹のノラちゃんが居着いており、 とても仲がいい。  御礼を言って七月堂を後にし、カレー屋でマトンカレーを食べる。まろや かでおいしかった。
7月24日(日)  「すみだと怪談文学」と題された東雅夫さんの講演会を聞きにみどりコミ ュニティセンターへ。両国で降りるのは久しぶりだったが、古い街並みを歩 くのは楽しいものだ。100席以上ある会場が満席に近い状態で、少し驚い た。無料とはいえ、怪談の人気は老若男女を問わず高いようだ。  講演は墨田区における怪談文芸の歴史を概観するもの。芥川龍之介や幸田 露伴などの文豪の、意外な怪談との関わり、そして土地との関わりが丁寧に わかりやすく語られる。東さんは本当に話がうまいですね。声も話すテンポ もすばらしい。こういう講演会では居眠りをする人が出るものだが、少なく ともぼくの周りにはそういう人はいなかった。それどころか、実に熱心に聞 き入っている。東さんが最近出された『なぜ怪談は百年ごとに流行るのか』 という本とかぶる内容だったが、地域を限定することで、怪談が生まれる必 然性がより具体性をもって迫ってくる。この近くに住む人には堪えられない お話だっただろう。  終わって、てのひら怪談・ビーケーワン怪談大賞関係者と挨拶。その後、 8月14日にやるセッションライブのためのリハーサルに急ぐ。
7月20日(水)  吉祥寺スターパインズカフェでタップドゥー公演。前にも行った即興ミュ ージカル(お客さんに書いてもらった一言をランダムに選んでお話を作る) が、前回よりうまくできていた。メンバーの空気を読む力がすごい。ゲスト で俳優&歌手の尾藤イサオさんが出演し、場を盛り上げていたのも印象的だ った。会場でトランペット仲間の天野さんに会い、途中まで一緒に帰る。
7月18日(月)  女子サッカーのワールドカップ決勝を観て徹夜してしまう。アメリカはさ すがにうまくて、個人では技術もパワーも日本を上回っているようだったが、 日本チームの粘り強さと組織力は驚異的。点を取られたら取りかえす。優位 に試合を進めていたアメリカチームの方が精神疲労を溜めてしまったようだ。 最後はPK戦でアメリカを圧倒。何と初優勝だ。すごいね。興奮しました。  11時頃まで寝て、ニュースサイトをチェック。その後、サンシティ越谷 市民ホールにアウグスト・エリンケス&ブエナ・ビスタ・オールスターズを 聞きに行く。これは大変な聞きものだった。このバンドは基本的にキューバ のソンを中心に演奏するバンド。会場には60歳以上の客の姿が目立ってい たので、マーケティングも中高年層に絞っていたように思われる。「マンボ bT」などの懐メロをたくさんやったが、アレンジがしっかりしているので 古臭い感じが全然しない。管楽器5人にカンタンテ4人、ダンサーも4人と いう大所帯で迫力満点、特にトランペット3人がメチャクチャうまくて感動 した。そしてもちろんトレスの名人パンチョ・アマートの名技。テクニック がすばらしいのはもちろんだが、歌回しに何とも言えない色気とユーモアが ある。演出も選曲もあからさまに「日本人向け」だったが、演奏のレベルが 高いので少しも気にならない。会場でCDを売っていたので購入し、アマー トのサインをもらう。
7月17日(日)  新橋ヤマハのトランペット教室へ。スタンダードをトランペット2人だけ で無伴奏で演奏する練習が続くが、今日言われたのは元のメロディーを感じ させるようなアドリブをするということ。これはできる時とできない時があ る。確かにそうやって演奏している時の方が音楽は自然に流れるので、意識 したい。暑かったので、終わってノイハウスで冷たいチョコレートを飲み、 帰宅してちょっと昼寝。詩集の再校チェックをやり、夜はサルサバンドの練 習。詩集の「あとがき」も書く。
7月16日(土)  風呂のガス設備の調子が悪いので業者にみてもらう。古い機械なので取り 替えることになりそうだ。それから不動産屋に行って部屋の更新の手続き。 会社の仕事をしてから溝口のジャムセッションへ。新しい顔の人が多くて楽 しかった
7月10日(日)  昼過ぎまで寝て、仕事をちょっとやり、それから松濤美術館のカレル・ゼ マン展へ。 カレル・ゼマンはチェコのアニメーション作家で、冒険ものを得 意としている。ぼくはチェコアニメが大好きなので、足を運んだというわけ。 原画や絵コンテが数多く展示され、映画の上映もあった。ゼマンが活躍し始 めたのは戦中あたりからだが、特撮の名手として名をはせていた。CGなど がない時代の、あくまで手作りの「特撮」の味が何とも言えない。アイディ アマンとして優れていただけでなく、絵柄がすっきりとしていて、モダンで ある。そこにチェコの人形劇の伝統が持ち込まれて、不思議な感覚が生まれ ている。  閉館ぎりぎりまで見て、新しくできたカフェで怪談作品を読む。夜は経堂 のスタジオでサルサバンドの練習。  
7月6日(水)  退社後、恵比寿art cafe Friendsへ桑原麻希・本坊綾子・角川裕明ライブ を聞きに行く。知り合いのピアニストの千葉さんがサポートしているが、普 段ミュージカル畑で活躍されている方たちだ。曲はポップスやフォークソン グが中心で、ちょっと懐メロのような、聞きやすいものばかりだった。ミュ ージカルで鍛えられているだけあって、しっかりした歌唱だった。特に角川 裕明の歌が音程がクリアで良かった。千葉さんのピアノ伴奏も安定していた。 ビールとワインを飲んでほろ酔い加減になり、仕事の疲れを忘れることがで きた。終わって千葉さんに挨拶。その後、香月でラーメンを食べて帰る。
7月3日(日)  五十嵐倫子さんのポエムカフェ「中庭ノ空」開店記念と、ブリングルさん の「現代詩手帖」新人賞のお祝いを兼ねたパーティ。  東急BEゼミの方たちや鈴木志郎康さんがいらして、賑やかな会になった。 「中庭ノ空」は詩を読み書きする人の交流の場としてとても意味のある場だ と改めて思う。詩の朗読をした人が何人かいて、特に森岡さんの演劇的な朗 読がコミカルで楽しかった。志郎康さんと久しぶりに詩の話ができたのも良 かった。料理は、有機栽培の野菜のサラダがとてもおいしい。4時すぎに始 まって8時頃終わったので、結構長いこといたことになるが、時のたつのを 忘れる楽しさだった。詩を書く仲間とダベるのはやはり面白い。