2011年8月

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8月27日(土)
 溝口でジャムセション。たくさんの方に来ていただいたが、ベーシストが少なく
てちょっと大変なことに。何とか回りましたが、ベースはどのジャムセッションで
も少ない。こんなに面白い楽器はないと思うのだが、地味な印象を与えるのだろう
か。或いは、サウンドの基礎を作るということで難しいという印象を与えるのだろ
うか。
 フリューゲルホルンのうまい方と知り合い、意見の交換をする。

8月23日(火)  岩崎書店の<怪談えほん>シリーズ第一回配本『悪い本』の販促のために、著 者の宮部みゆき先生にインタビュー。  2時前に東陽町に着き、駅前の蕎麦屋で定食を食べて(おいしかったです)、 2時半にホテルイースト21のラウンジに着く。インタビュー前に、まずは東雅 夫さん、タカザワケンジさんと幻妖ブックブログの打ち合わせ。前月の反省と来 月以降の新刊の話をする。  宮部先生はぼくたちの前に取材が入っていたのだが、予定より早く終わったよ うだ。大沢オフィスの方が呼びに来て下さったので、慌てて席を移る。  初めてお会いする宮部みゆき先生は、まるで少女のような可憐な風貌の方で( 失礼!)、とても丁寧に挨拶をして下さった。こちらからお願いさせていただい たのに、恐縮の極みである。今回の企画には最初から乗り気であったこと、『て のひら怪談』を愛読されたことなどを熱心に話された。  やがて岩崎書店の方々も到着し、『悪い本』の見本を披露。その余りに素敵な 出来に、我々も驚愕したが、宮部先生ご自身が感激して、思わず見本を抱き締め るという事態に! インタビュー記事は9月にビーケーワンサイトにアップしま すのでどうぞご期待下さい。インタビューは一部はサイトにアップ、完全ロング バージョンは特典として購入された方に配信致します。
8月22日(月)  第9回ビーケーワン怪談大賞の結果発表をし、選考会レポートをアップした。  受賞者の皆様、おめでとうございます。 今年は「怖い作品が少なかった」と選評がやや辛口であったが、作品のレベル は十分に高かったように思う。投稿者の方々には期待故の辛口コメントと受け止 めていただきたい。怪談は、自明と思われている現実に裂け目が入る瞬間の衝撃 が描けていなければならない。「現実」というものが、怪異現象によってどう変 容するのか。つまり、怪談においては実は「現実」の捉え方がカギとなっている わけである。現実に対する観察力が鋭い程、超現実の描写が生きてくる。文章力 のある書き手がそろっているのだから、この辺りの意識を高めれば、あっと驚く ような怪談作品が幾つも生まれてくるのではないだろうか。
8月20日(土)  サルサバンドのメンバーと、神谷町の立ち飲みバー「Boogaloo Tokyo」で暑 気払い。ここはメンバーの宮房さんが経営するバーで、行こう行こうと思って いてなかなか行けないでいたので嬉しい機会だ。四国に単身赴任中の小瀬澤さ んも参加。10名程が集まった。バカ話もしたが、宮房さんがバンドのライブ 映像を壁に映してくれて、その出来の良さ(?)に一同おおはしゃぎ。いや、 でも本当にアマチュアバンドにしてはなかなかのサウンドだと、酔っ払ったあ の場では思ってしまいました。西澤さんが華麗なマラカスのプレイを披露して くれたりなど、盛り上がりました。バーの雰囲気は、気軽にしてちょっとお洒 落という感じで、女性でも楽しめる感じ。近くにお寄りの際は、一杯飲んでい かれたらいかがでしょう。
8月18日(木)  退社後、江戸川橋の「絵空事」で、「TOKYO FIGURE」という催 しを見に行く。  音楽を担当している千葉香織さんから誘われたのだが、ダンスを中心に、ド ローイング、映像、音楽を融合した、女性アーティストたちによるライブパフォ ーマンスだった。  椅子や机を使ったり、着物で日本舞踊風な動きを取り入れたり、と形はいろ いろだったが、内面を抽象的に表現していくという性格のコンテンポラリーダ ンスが主だった。ダンサーたちの動きが洗練されているだけでなく、気持ちの 真剣さをよく出しているなと感じた。「都市」ということもテーマに入ってい て、都会の雑踏の映像が流れたりした。  どの作品も、パフォーマンスが始まる時の、張り詰めた空気が気持ち良い。 ダンスの中に潜在的に存在する宗教的な要素を改めて感じさせた。別にこれら のパフォーマンスに特定の宗教色があるのではない。日常を越えた世界に向か う気持ちの中に宗教性があるのである。  楽しめたのだったが、コンテンポラリーダンスにつきものの、現代芸術臭さ が払しょくしきれていなかったかな、とも感じた。一方的な内面の表現ではな く、見ている人との接点を、「都市」などといった観念的なレベルでなく、よ り個人的なレベルでも考えて欲しいということだ。もっと、見ている者の心に どう侵犯していくかについての戦略が欲しい。  最後に、太田翔子さんが千葉香織さんのピアノ伴奏つきでソロダンスを踊っ たが、これが一番良かったかもしれない。しなやかな動きで、千葉さんのピア ノとよくマッチしていた。  会場でセッション仲間と会って挨拶。お酒を飲みながらしばらくお喋りした。
8月14日(日)  溝口のジャムセション仲間と、用賀のキンのツボでセッションライブ。  初めに3つの選抜バンド演奏があり、課題曲just Friends を 含む3曲ずつを披露。ウチのバンドはごくごくオーソドックスにまとめたが、 他のバンドは凝りに凝ったアレンジで感心した。ウチのバンドでは、アルトの みずきちゃんがソロイスト賞を取った。いろいろな場所で活躍されているトラ ンペットのギンゾーさんとも知り合えた。  その後、セッション。6時に始まって終わったのが10時すぎ。 飲み放題、 演奏し放題で一人4500円だから随分安く楽しめたわけだ。  やはりセッションというのは、たくさんの参加者と親睦を深められるところ がいい。お互いの人となりを知ってから演奏を聞くと味わいが増す。音と人柄 は密接な関係があるものだ。昔初心者同然だった人が、上達している様子にも 驚く。 ギターの大江さんとしほちゃんの結婚の報告もあった。おめでたいこ とだ。
8月13日(土)  松濤美術館に岡本信治郎展「空襲25時」を見に行く。岡本信治郎は50年代 からアンデパンダン展などで活躍したアヴァンギャルド画家であるが、本展は 回顧展ではなく、2000年以降に戦争をテーマに描かれた作品群が展示して あった。サイケデリックな、ハデハデの色合いが楽しい。が、描かれているの は原爆投下や空襲の悲惨な光景だ。悲惨極まりない光景を、浮遊するようなグ ラフィックな画風で軽やかに描いたところに、最大の特徴がある。絵の中には 日本語と英語のト書きがあり、ある意味、浮世絵のようでもある。イラク戦争 や9.11事件、平成大不況まで射程に収めているので、現代史を丸ごとカリ カチュア化する試みであると言える。ストレートに描くと、意味が固定されて しまうので、あえてポスターのような軽やかな画調で描き、見る人の思考を揺 さぶろうとしたのだろう。明るい色調で、娯楽の中心であった百貨店が灰にな ることの恐ろしさが描かれることのギャップが、見る人の思考を揺さぶるのだ。  帰りにドコモショップに寄って、スマートフォンを眺める。
8月11日(木)  練馬区立美術館に「磯江毅 グスタボ=イソエ」展を見に行く。磯江毅は主 にスペインで活動をしていた画家で、リアリズムを追求する画風。2007年 に53歳の若さで亡くなった。本展は80作品を集めた回顧展だが、とても見 ごたえがあった。リアリズムといっても、素朴な感じのものではなく、事物を 細部にわたって極限まで見つめるというもので、緊張感が漲っている。裸婦を 描いたものなどは、離れて見ると優美さを感じさせるが、近づいて見ると、優 美というよりは人間の物質性と精神性を舐めるように分析するような、厳しさ が目立つ。静物画は云わずもがな。最晩年の、皿の上のさかなの食べ残しを描 いた作品などは、物質の幽霊を見ているよう。全体の中で、ある細部のニュア ンスが強調されると、現実から遊離した空気が生まれることを知る。ほとんど 超現実主義と紙一重のリアリズムだ。見終わってヘトヘトになってしまった。  帰りに。詩人の五十嵐さんが経営するポエムカフェ「中庭ノ空」に寄る。相 変わらずきれいな佇まいだった。コッペパンを焼いてマーマレードとバターを 塗ったものを食べる。普通は食パンやフランスパンを使うのだろうが、コッペ パンだと硬すぎず柔らかすぎずの、独特な歯ごたえが生まれる。おいしかった。 五十嵐さんから近況を聞き、5時半頃帰る。
8月10日(水)  第9回ビーケーワン怪談大賞選考会のため、午後4時にマイスペースニュー 銀座店へ。今年は826編と過去最高の応募数だった。選考委員の方からはシ ビアな意見もかなり出たが、大賞を含め、受賞作が無事決まってほっとする。 投稿作品のレベルが高くなるにつれて、要求されるレベルも高くなる。来年チ ャレンジしようという人は大変だなあ(笑)。  選考会終了後、近くの和食居酒屋で打ち上げ。怪談は鎮魂であるという主張 の真意は、死者を悼む内容の作品が怪談だということではなく、日常を越える 怖い話を語る行為そのものが死者を想うことにつながり、鎮魂に結びつくのだ という東雅夫さんの話に納得。  10時頃散会。お疲れ様でした。
8月6日(土)  近くのファミレスにこもって詩集『真空行動』の三校をチェック。もうほと んど修正の必要がないかと思っていたが、まだ直したいところが見つかって、 アカを入れてしまう。出版社さん、申し訳ない。  ビーケーワン怪談大賞の作品を読み直し、選考会に備える。
8月5日(金)  著述家の友人、守屋淳さんと渋谷で飲む。とってもらったクラシックのコン サートのチケット代を払う。聞くのが楽しみなものばかりだ。韓流反対デモや 自民党議員の鬱陵島上陸パフォーマンスに批判的であることなどを話した。韓 国は大事なパートナーなのになぜ相手を刺激することばかりをするのか、とい うこと。韓国側の過剰な反応もひどいものだが、こんなことをやりあって、百 害あって一利なしではないか。