2012年4月

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4月29日(日)
 招待状をいただいた国画展を見ようと新国立美術館に足を運んだら、何と
国画展は5月2日スタートであることがわかった。例年より期間を遅らせた
ようだ。このままでは無駄足になるので、「セザンヌ パリとプロヴァンス」
展を見る。これはなかなか良かった。セザンヌの画業を、彼が往復していた
パリとプロヴァンスという二つの土地に着目して整理した展覧会だが、土地
を分けることにそんなに意味はなかったような…しかし、展示作品はすばら
しかった。
 先日行ったエルンストと違って、セザンヌはアイディアマンとは言えない。
画題はオーソドックスである。しかし、平凡な風景を、特異な構成と色づか
いで再構築することで、浮遊するような不思議な世界を作りあげる。ああ、
ここから現代絵画が始まるんだなあ、と感じさせてくれる。現実を鋭く観察
して現実に即しながら、非現実的な世界をゆらゆら浮かび上がらせてしまう。
セザンヌはこれからも機会があれば見る機会を失わないようにしよう。
 夜は六本木スダーダでのライブ。単身赴任中のカンテンテ小瀬澤さんも駆
けつけてくれた。終演時刻12時半すぎ、3ステージの長丁場だったが、超
満員の盛況。遅くなっても途中で帰る人はほとんどいない。ミスは多々あっ
たが、ノリのいい演奏を披露出来て満足。サルサ好きのドミニカ人のお客様
が熱心に聞いてくれている様子が印象的だった。
 終わってビールを一杯飲み、タクシーで帰宅。

4月28日(土)  胃の内視鏡検査のため、中目黒の成子クリニックへ。この医院では、麻酔 をして患者を眠らせて検査を行うのだという。点滴を受けているうちに不意 に眠くなり、起きたら検査が終わっていた。先生から、撮った画像を前に説 明を受ける。ここ数カ月の胃の不調はピロリ菌感染によるもので、除菌をし なくてはいけないとのこと。抗生物質入りの薬を朝晩2回、一週間服用する だけとのことなので安心する。医院を出たら13時を過ぎており、結構長い 間眠っていたことに気づく。昼食にキノコうどんを食べ、帰宅するとまたど うしようもなく眠くなってきた。昼寝のつもりで布団を敷き、目覚めたら7 時半。今週、仕事が忙しくて余り眠っていなかったからなあ。
4月27日(金)  ビーケーワンが運営してきた幻妖ブックブログを東雅夫さんの個人ブログ に引っ越しさせ、メルマガ「幻妖通信」の最後の号を出す。これで幻妖ブッ クブログや怪談大賞の仕事も終わりかと思うと、胸に込み上げてくるものも あったが、終わりは始まりだと信じて頑張ろう。
4月22日(日)  江古田のライブハウス、バディでサルサの演奏。雨だったので客の入りを 心配しながらリハを終える。対バンのラテンジャズのバンドのリハをちょっ と聞いて、ポエムカフェ「中庭ノ空」へ。北爪満喜さんの写真展を見る。水 をテーマにした写真展で、澄んだ水から濁りのある水まで、水の様々な表情 を感情豊かに表現した作品が展示されていた。一点一点の出来栄えもさるこ とながら、構成が見事で、スペースの扱いの認識が以前よりもずっと進化し ているように感じられた。短編小説集を読むような充実感があった。  見終わってライブハウスに戻り、来て下さった林さん夫婦に挨拶。演奏が 始まったが、やはり雨のためかお客さんが少ない。でも少ないながらに盛り 上げて下さる方々がいて、元気をもらった。
4月21日(土)  横浜美術館に「マックス・エルンスト−フィギュア×スケープ」展を見に 行く。日本のポップカルチャーにも通じる「フィギュア」をキーワードに作 品を展示する企画だ。  結論から言えば、「フィギュア」でまとめるのにはちょっと無理があるか な、という感じだった。少なくとも、アニメやコミックとの関連性は薄いし、 ポップな感じはしない。日本で「フィギュア」と言えば、サブカルチャーを 連想させるが、エルンストには日本、或いはアメリカ流のサブカルチャーの 匂いはしないので、「像」とか「模型」というベタな言い方にしてしまった 方が良かったように思った。  企画の立て方はともなく、作品は面白かった。エルンストがアート界の「 発明家」であることがよくわかった。コラージュやフロッタージュだけでな く、古今の文学や当時最先端の学問だった文化人類学的や精神分析のメタフ ァーもふんだんに用いられる。戦後になると、アメリカの現代美術の影響も 出てくる。つまり、新しいモノ好きで好奇心旺盛、面白そうと思ったものに は躊躇なく手を伸ばすタイプの芸術家だったようだ。絵自体はよくよく見る と、ダリなどと比べるとうまくないのかも、と思ったりするが、ダリを上回 るアイディアマンであり、その創意工夫の妙に打たれる。そしてその核心に あるのは、うっそうと茂る深い森への郷愁だろう。  帰りに赤レンガ倉庫を覗いて、繁盛ぶりにびっくり。その後中華街で食事。 関帝廟の近くで安くてそこそこうまい店を見つけられて満足した。
4月14日(土)  阿佐ヶ谷のレストラン山猫軒で昼食。アニメや古い日本映画を上映する映 画館ラピュタに併設されたレストランで、フランス料理をベースにした創作 料理だ。以前、2、3度来たことがあり、久々の再来店となった。イチゴと 生ハム入りのサラダ、スズキのポアレにデザートとコーヒーで2600円。 どれもおいしかった。ここは料理もいいけれど、何といっても建物がすごい。 天空の城ラピュタみたいな外見で、中も手作り感がいっぱいだ。ぜひ一度、 足を運んでみて下さい。  その後、渋谷に移動して、松濤美術館でロイヤルコペンハーゲン ビング オーグレンダール/塩川コレクション−魅惑の北欧アール・ヌーヴォー展を 見る。この展覧会には、デンマークの二つの名窯で創作されたアール・ヌー ヴォー陶磁器が展示されている。カタツムリやトカゲがやたらとリアルに描 かれていて、ちょっとドッキリさせられる。皿や壺に描かれた花とか葉など も写実的で、余り様式化されていず、「絵柄」という感じがしない。「彫刻」 「絵画」つきの陶器という感じだ。日本の陶器にはない、鋭さと奇抜さがあ り、新鮮な印象を受けた。釉薬の工夫も、いかにも化学実験の成果と感じさ せる。アール・ヌーヴォーは科学が急速に発達し始めた時代の産物なのだと 改めて思った。とは言っても、貴婦人や人魚の像はとても優雅だし、メルヘ ン風の作品もたくさんあり、インテリア好きな人にはこたえられないだろう。 すばらしい展示なのに、お客さんは非常に少なく、土曜日だというのに数人 しかいない。ほとんど貸し切り状態のような中で鑑賞したが、本当はもっと 宣伝をすべきではないのかなあ。
4月8日(日) 詩人の鈴木志郎康さん、今井義行さんと詩のお喋り会。3時に渋谷の茶亭羽 當に集まり、吉本隆明の詩について等話す。また3時間もほぼぶっ通しで喋っ てしまった。終わって、近くのホテルのレストランで食事。ここでも話す。 気の合った人と詩の話をするのは本当に面白い。帰って資料を置き、そのま まサルサバンドの練習へ。
4月7日(土)  中目黒のレストランBbr APARTMENTで知人と食事。このレストランは普通の アパートの二階にあがるような感じの外見で、中に入ると高い天井が魅力。 ランチのトンテキがおいしいので、今日は夜にやってきたというわけ。さん ざん飲み食いし、喋る。ラムチョップと海老のパスタがおいしい。店を出て 目黒川沿いの桜を見物。ちょっと寒かったが、ライトアップされた桜は本当 にきれいだ。
4月1日(日)  新宿レオンでサルサのライブ。以前ウチのバンドを贔屓にしてくれていた プエルトリコ人ラフィー(在日米軍で働いていた)がテキサスから日本に遊 びにきており、ライブも聞きに来てくれた。何とラフィーはおよそ10日の 滞在期間のうちの半分以上を、日本のサルサを聞くのに費やしたのだった。 昔のサルサ仲間を訪ねるのは楽しいだろうが、京都にも金沢にも行かないで ひたすら東京でサルサとは、ちょっと変わっている(笑)。でも、どのライ ブに行ってもVIP扱いで大歓迎だったようなので、嬉しかったのだろう。  ラフィーが作詞したボレロを含め、熱演した(せざるを得なかった)。ラ フィーに会いに来る人もいて、客席は満員。楽しいライブになった。メキシ コ人の奥様も楽しんで下さったようだ。  でも、帰りに、定期や鍵、カードなどが見つからなくて大慌て(結局出て きましたが。すみません)。