2012年7月

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7月28日(土)
 立川の花火大会見物へ。
 その前に、周囲の名所を探索。まず武蔵国分寺公園へ。広くて気持ちのいい
公園だ。何もないと言えば何もないが、樹木が豊かに生い茂っていて癒される。
知識がないのでよくわからないのだが、珍しい草木もたくさんあるようだった。
鳥の鳴き声があちこちで聞こえるのも魅力的。それから寺社を少し回る。この
辺りは奈良時代辺りからの歴史がある古い寺社が多い。大きくはないが味があ
る。たくさんのハーブを植えている寺もあった。その後、蛍のいる小川に沿っ
て歩く。小さな流れだが、水が澄んでいて美しい。国分寺駅まで行って喫茶店
でちょっと休憩し、殿ケ谷戸庭園へ。崖のある地形をうまく活用した日本庭園
で、小さな滝があったり変化に富んだ景観が面白かった。
 それから立川に移動。駅には既に人が溢れている。混雑していそうなので花
火会場である公園には入らずに、花火の見える歩道に陣取ることにした。ビー
ルとつまみを買って開始を待つ。
 始まってすぐに「おっ」と思ったのは、新作の花火が多かったこと。三回く
らい開く花火や笑顔を模っした花火など、今まで見たことのないようなものが
結構あって、見飽きることがなかった。歩道で十分見ることができたし、周り
の観客の反応も上々だった。花火大会はこの一体感がたまらないですね。
 連れのきれいな浴衣姿も見られて最高でした。

7月22日(土)  姉親子がもうすぐアメリカに帰るのでまた会いに行く。実家に着くと、いつ ものように猫のファミとレドが迎えてくれる。2匹とも、姉親子を怖がるよう な様子はなく、自然に接しているとのこと。湯布院で買ったアクセサリーをお 土産として渡すと喜んでもらえた。  妹親子も来て、みんなで夕食。寿司や焼き鳥を食べる。姉と姪は、外国人を 受け入れる制度を持った大学の見学にも行っていたようだった。姪は、講義の 内容よりも施設の充実とか周りの環境が気になるようだった。そりゃそうだろ うね。戦争の歴史について勉強してみたいとのことだったが、アメリカで生活 する姪が日本の大学の進学を考えていることは驚きだった。日本の文化や言語 に詳しくなれば、就職に役立つこともあるかもしれない。前向きな姿勢がいい と思った。一足先に大学生になった甥っ子は、アドバイスらしいアドバイスは してやれなかったようだが(笑)、姪とは仲良さそうなので良し。もし日本で 生活することになったらいろいろ助けてくれるだろう。姉は高校時代の友達と 会いに行って、楽しい日々を過ごしたようだ。  また来年、遊びに来て欲しい。
7月16日(月)  最終日。天気は良い。  7時過ぎに起きて温泉に入り、8時に朝食。それからまたゆっくり温泉に浸 かって、10時にチェックアウト。お世話になった若い女性従業員に幾らか包 んで感謝を述べる。  タクシーで湯布院駅に行き、土産を買って荷物を預けた後、宇奈岐日女神社 へ。途中、観光客を乗せた馬車とすれ違う。なかなか粋なものだ。宇奈岐日女 神社は確か10世紀前後に作られた神社で、小さいが由緒の正しさを感じさせ る。巨大な杉の並木にも圧倒されたが、台風で倒れてしまった大きな切り株が 神として祀られている光景に息を飲んだ。杉も、神様になれる、というのが神 道の面白いところだ。お参りをし、池の鯉に餌をやって楽しみ、昨日行けなか った湯布院民芸村へ。また30分程歩いたが、田舎道が美しく、歩くのが楽し くてならない。  民芸館の中は、江戸後期から昭和初期くらいまでの陶器、機械、道具、織物 などが展示されていた。ほとんど客はいない。まるで貸切状態だ。展示物はよ く選ばれていて、楽しめたが、説明書きが少なかったのが残念だった。庄屋の 家に飾られていたという色鮮やかな反物が特に印象に残った。生活用品の製造 や紙すきの様子も見学した。お昼は、カフェで豊後牛肉入りのカレーを食べた。 欧風カレーで濃厚な風味だった。野外のテラスで食べたが、風が心地よく、涼 しい。すっきりした味わいのかぼすのジュースも飲んだ。  来週会う姉と姪のために、ガラスの森でアクセサリーを買い、ゆっくり湯布 院駅まで歩く。  3時に高速バスに乗り、大分空港へ。4時半すぎに東京行きの飛行機に搭乗。 快適な空の旅を1時間ちょっと。機内サービスの、トビウオのスープがうまい。 6時頃羽田空港に着く。モノレールで浜松町まで行き、イタリアンの店でピザ とパスタを食べる。ハイボールも二杯飲んだ。旅の話をいろいろして、8時頃 連れと別れ、帰宅する。  久しぶりの旅行だったが、最初から最後まで楽しめた。湯布院は大きな街で はないので、観光名所を次から次へと巡る強迫観念に襲われることはない。ゆ っくりのんびり過ごすのに最適なところだ。宿も良かったし、いつかまた来た いものだ。
7月15日(日)  7時頃起きて、即温泉に浸かる。快晴。山の清々しい空気に癒される。8時 から食事。ちょっと変わった温泉卵を食べる。特殊な蒸し方をしていて、温泉 卵特有の臭みがない。朝食もいろいろおいしいおかずがあった。  10時に宿を出発。晴れているので、ちょっと頑張って歩いて金鱗湖方面に 行くことに。坂を下りきったところで地元の方らしきおじさんに道を聞く。  観光商店街らしき道に出る。どうやらここが湯布院のメインストリームらし い。他の観光地と余り変わりないような土産物屋やレストランが並ぶが、よく 整理されていてきれいだ。足の角質を魚に食べさせる、足の美容院みたいな店 が物珍しかった。距離が近いせいか、中国・韓国からの観光客も目立つ。途中、 湯布院夢美術館なるところで、放浪の画家・山下清の展覧会をやっていたので 入ってみる。切り絵とパステル画が中心だった。素朴に見えるが、構成が大胆 でぐいぐいこちらに迫ってくるような気がする。  それから金鱗湖へ。小さな、どうということのない湖なのだが、見事に観光 資源化されていて(笑)、たくさんの人が集まっていた。大雨が降ったせいで、 湖の周りの小道が一部封鎖されていたが、コイやフナがいっぱいして水の中を 覗くのが楽しかった。ガチョウが人のすぐそばでのんびりしている姿も良かっ た。天祖神社でお参り、湖畔を半周して雑貨の「鍵屋」でちょっと買い物。そ れから蕎麦屋で食事。地鶏のせいろを頼んだが、とてもおいしかった。連れが 落し物に気がつき、鍵屋に戻って無事確保。ほっとしたところで、マルク・シ ャガール金鱗湖美術館に行く。シャガールのリトグラフ連作「サーカス」が展 示されていた。シャガール晩年の、暗さと明るさ、洗練と土俗が入り混じった 境地に感嘆する。正直言って余り期待していなかったのに思いがけず傑作群に 出会えてしまった。  湯布院が美術館が点在しているので、他もあたってみる。気持ちの良い川沿 いの道を歩き、ドルトーニュ美術館なる個人経営の不思議な美術館に入った。 美術館というより、個人宅に絵や彫刻が並んでいるという感じだったが、作品 は意外にも(!)面白い。谷川晃一や宇治山哲平の作品もあった。館主の女性 の方が話しかけてきて、作品の詳しい説明をして下さった。何と宇治山哲平の お弟子さんで、彫刻をやられているとのことだった。裏文子さんという方で、 座禅を組んだ若い女性の彫刻作品が印象に残った。バングラデシュの画家カビ ールの抽象的な作品も、独特な繊細さがあって良かった。皆、湯布院にゆかり の作家の作品ばかりとのことだったが、土地を主役にするだけで、アートは生 き生きしてくるものだ。冷たいお茶もごちそうになる。  隣にある、末田美術館にも足を運ぶ。彫刻家の末田龍介氏と造形作家の末田 栞氏、ご夫妻の個人美術館で、建物が面白かった。彫刻群を二階から一望でき るのが壮観。野外にもたくさんの作品が展示されている。地価が安いこの辺り ならではの贅沢な空間活用だ。  湯布院は個性派の美術館がたくさんある。ぶらぶら気持ちよく散歩しながら 美術鑑賞ができるなんて、贅沢極まりない。  またメインのストリートに戻り、大きな吹き抜けのある洒落た雑貨屋の二階 にあるカフェで一休み。そして宿まで30分ほどかけて歩き抜く。  部屋の温泉でさっと汗を流した後、夕食。豊後牛のすき焼き、蒸したうなぎ、 鮎が丸ごと一匹入ったソーメンなど、今日もご馳走がじゃんじゃん出てくる。 満腹になって部屋へ引き上げ、ゆっくり温泉に浸かる。 た。
7月14日(土)  今日から二泊三日で湯布院へ旅行。  ぼくは10年いたネット書店が親会社の傘下に入ったのをきっかけに本社勤 務となった。今は図書館に提供するデータを作成する部署にいる(そのことも おいおい話していこう。ネット書店時代は、お客様からいただく書評の査読を したり、夏は怪談の企画をやるなどして、ゆっくり旅行に行くような暇はなか った。本社勤務になってようやく自分のためのまとまった時間が取れるように なった、ということ。  さて、9時半に羽田空港に着いて連れと合流。缶コーヒーを飲んだり他愛の ないお喋りをしながら待ち、予定より10分程遅く搭乗。湯布院はそうでもな いようだが、九州地方の各地は大雨に見舞われているそうなのでちょっと不安 でもある。少々曇ってはいたが、久しぶりの飛行機からの眺めは良い。  大分空港に着いてバスに乗り換える。大ぶりではないが雨が降っている。田 舎特有のもっさりした風景が美しい。1時半すぎに湯布院に到着。かなり激し く雨が降っており、傘をさして近くのレストランに飛び込む。天井の高い、ロ ッジ風の小洒落た店だった。名物らしきだんご汁定食を食べ、地ビールを飲む。 だんご汁はほうとうのような味で、あっさりしておいしかった。ビールも甘い 後味が良い。店を出るとだいぶ小降りになっており、駅のロッカーに荷物を預 けて観光へ。  鳥居のある道を歩き、ノーマン・ロックウェル湯布院美術館に入る。ノーマ ン・ロックウェルは、20世紀半ばにアメリカの市民の生活を漫画のようなタ ッチで描いた画家だが、こんなところに彼の作品を集めた美術館があるなんて 知らなかった。個人経営の美術館らしく、手書きで一つ一つの作品に極めて主 観的(!)な説明書きがある。ロックウェルの作品も魅力があったが、経営者 の人柄が丸出しのコメントも微笑ましい。来館者のコメントや絵も展示されて いて、和気藹藹とした雰囲気だ。吹き抜け二階建の建物も面白い。湯布院を訪 れる人は是非立ち寄って欲しい。帰り際、受付の女性に写真を撮ってもらう。  道を更に行くと橋があり、その下を川が流れている。大きなサギが悠然と立 っていた。そして湯布院ステンドグラス美術館(聖ロバート教会)を見学。1 9西紀以降のロマンチックな作品が多かった。宗教的な題材でないものもある。 ステンドグラス作品をまとめて見る機会など余りないのでありがたかった。教 会の立派なステンドグラスも仰ぎ見る。  外に出ると、もうほとんど雨は降っていない。駅近くに戻って商店街をぶら ぶら歩く。お祭り用の、大きなてるてる坊主のような飾りが面白かった。喫茶 店に入り、足を休める。山を象ったアイスクリームを注文。山の霞を綿あめで 演出したりしている。いささか不格好だったが、いかにも素朴な感じ。  駅に荷物を取りに行きタクシーで宿へ。実は、宿が部屋のブッキングを間違 ってしまい、思いがけず、低料金で良い部屋に泊まれることになっていたのだ が、実際中に入って驚いた。この宿は古い酒蔵を改造したものらしいが、高い 天井が木で組まれていて、まずその質感に魅了される。美しい庭に広い部屋が ふた部屋、そして何とその部屋には露天の温泉風呂がついている。贅沢なもの だ。温泉の水はぬめるような感触で、身体にいい感じ。離れに位置しているの でとても静か。ウグイスが「ホーホケキョ」と鳴く。  食事は大広間で取るが、まあ、出てくるは出てくるは。地鳥と牛と鮎の炉端 焼きに刺身、豊後牛のステーキ、鮎がまるまる一匹入った茶づけなど、とても 全部は食べられない。そして全てが絶品。特に豊後牛のステーキがすごい。口 の中でとろけそうだ。この宿は、接客サービスは淡々としているが、その分食 事には力が入っている。部屋に引き揚げて今度は大浴場の風呂に入る。雨が続 いたせいか客が少なく、貸し切り状態でゆっくり浸かった。入浴後は、竹を組 んで作られたアロマテラピー・ルームでゆっくり過ごす。  と、こんな感じで一日目を幸せな気持ちで過ごしました。
7月8日(日)  詩人の鈴木志郎康さん、今井義行さんと、詩についてのお喋り会。福間健二 さんの評論集などを話題にしながら、言葉と内面の関係について3時間程話し まくる。反権威ということで一致しているので、この3人で詩について喋ると、 好き放題に意見が言えるので、痛快だし、楽しいことこの上ない。但し、勉強 しておかなければならない課題もいっぱいできたので頑張らねば。  終わって、いつものホテルのレストランで食事。それから一度帰り、サルサ バンドの練習へ。
7月7日(土)  渋谷の貸会議室で詩の合評会。北爪満喜がツイッターで発表した詩を読んで、 感想を言う。今日は4人しか集まらなかったが、その分じっくりとした話がで きた。ぼくの詩作品「ぬっと、安心」も読んでもらえた。  その後、シネパレスで宮沢賢治原作の映画「グスコーブドリの伝記」(杉井 ギザブロー監督 ますむらひろしキャラクターデザイン)を見る。映像が極め て凝っていて(やや宮崎駿テイストだったが)、幻想美に溢れていて楽しめた。 イメージ優先の映画作りで、子供にはちょっと難しいかな、とも思えた。その せいか、お客さんが少なめだったのは残念な気がした。賢治の原作の印象とは 遠かったが、ファンタジー映画としては、これはこれでありかと思った。但し、 一家離散の苦しみや、自己犠牲に至る心理描写が不十分で、やや理詰めで筋が 展開してしまった事に関しては、どうかな、と思った。火山に飛び込む、跳躍 に至る緊張感をもっと丁寧に描いて欲しい気がした。  見終わって外に出ると、雨が激しくなっている。  台湾料理屋「龍の髭」で食事。いつものようにおいしかったが、騒ぎすぎの うるさい客がいていらいらする。食事を終えて店の外に出ると雨はほぼ止んで いた。少し周りを散歩して帰宅。
7月3日(水)  退社後、西荻窪で知人と食事。ロックが流れる東北料理の店。ネットで見つ けて面白そうと思い、足を運んだのだが、なかなかいい店だった。青森のリン ゴを絞ったジュースで作ったリンゴハイが濃厚な香りでおいしかった。マグロ のチャーシュー、それと独特な風味の焼きそばも良かった。ロック色はそれほ ど濃くはなかったかな。でもスクリーンが張ってあって、ライブ映像が流れて おり、店主のこだわりを感じた。西荻は、ユニークなコンセプトの店が多いの で、また開拓に来たい。