2013年7月

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7月28日(日)
 飛騨高山旅行最終日。
 9時頃チェックアウトし、ガラス工芸で有名な飛騨高山美術館へ。そう遠
くないことがわかり、徒歩で行く。田園風景が美しい。
 飛騨高山美術館はミシュランで「一度は訪れるべき場所」として評価され
たことで有名だが、お客さんが驚く程少ない。ルネ・ラリックやエミール・
ガレ、モーリス・マリノ他のアール・ヌーヴォー、アール・デコの名品が数
多く展示され、説明も行き届いており、贅沢な気分を味わったのだが、工芸
は美術館の展示物として日本人にとって弱いものなのか? それはともかく、
20世紀初期当時の部屋を再現した部屋など、見どころはいっぱい。藤田喬
平らの現代の日本人による斬新な作品も展示されていた。すばらしい作品が
満載で、建物もインテリアも美しいのになぜ閑散としているのか。ちょっと
残念だった。
 それから飛騨の家具館に足を運び、たくさんの家具をじっくり見る。値段
とクオリティも関係もだいたいわかってきました(笑)。スペースも広いし、
家具の質も高いし、好きな人にはいくらでも時間が潰せるのではないでしょ
うか。
 家具館を出て、近くの神社で御参りし、高山ラーメンを食べて、帰りの電
車を待つ。指定席のチケットを買っておいたので楽だった。新幹線の中でビ
ールを飲みながら、楽しい旅だったと改めて思う。国内旅行もいいものだ。

7月27日(土)  2日目は旅のメインとなる白川郷トリップ。白川郷行きのバス亭に着くと、 既に人がいっぱい。海外の旅行者の姿が目についた。さすが世界遺産に登録 されているだけのことはある。バスで小一時間程行くと、あの特長ある合掌 造りの家々が見えてきた。思わず興奮してしまう。  白川郷は、積雪対策として工夫された合掌造りの日本家屋が多く建つ集落 だが、降り立ってみると、ここも高山市の「古い町並み」同様、適切な観光 化がされていてそのことに感心した。つまり、従来のこの土地固有の生活と 観光資源として価値のある商業性がうまく両立している、ということ。この ことはとても大事で、先立つものがなければ伝統も維持できない。白川郷は まるで公園のように歩きやすく、見どころも丁寧に標示されていて、それで いて、住民の生活が観光によって圧迫されていない。これはすごいことだと 思う。  気温は高かったが、風が涼しいので暑さはさほど感じない。「神田家」他 の日本家屋の傑作を堪能し、高台からのすばらしい景色に驚嘆したり、いや あ、とにかく楽しかったです。田んぼや畑も美しくてそれ自体が観光名所み たいに見えたし、水路の水が澄んでいて冷たく、そして鯉が何匹も泳いでい たのには感動した。八幡神社に御参りし、併設されているどぶろく祭の記念 館に足を運んだが、ここがなかなか良い。白川郷のどぶろく祭は有名で、丁 寧な酒造りをし、村人総出で舞いなどの催しをやって見物客にどぶろくをふ るまうという。この土地の古い記録や美術が見らるのはもちろんすばらしい が、何よりも鑑賞し終わったらどぶろくを飲ませてくれる。甘くてコクがあ っておいしく、思わず御代りをしてしまった。土産にも購入。白川郷に来た らここははずさない方がいいですよ。  牛肉まんを食べて帰りのバスを待ち、3時頃高山に戻る。昨日は見ること のできなかった高山陣屋を訪れてじっくり鑑賞。高山の歴史にも詳しくなっ てしまう。高山では「木」が文化的にも商業的にも重要な役割を果たしてい ることを知る。  それから街に出て、陶器、雑貨、家具の店を見て歩く。妻はこういうもの が大好きなので、熱心に見ている。8角形の渋草焼のきれいな鉢を購入。家 具も素敵なものがいっぱいあった。途中、集中豪雨にやられたりしたが、傘 を持ってきていたので助かった。歩き疲れて、昨日入った雑貨屋兼喫茶店に また入る。昨日見て気になっていた木の菓子皿を買ってしまう。千円ちょっ との安いものだが、樹齢67年のヤシャブシで作られたもので質感がいい。  宿に戻り、夕食。メインは飛騨牛のしゃぶしゃぶで、たんまりと出てくる。 頑張って全部食べてしまった。土地のワインがサービスとしてつけてくれる というので頼んでみた。甘くてフルーティー。いかにも日本のワインという 感じでおいしかった。  それからお風呂、そして足湯。明日は帰らなければならないかと思うとち ょっと寂しい気もしてくる。
7月26日(金)  妻と飛騨高山に旅行。  9時に新宿発の高速バスに乗る。道はすいていてまずまずの快適さ。3時 頃、高山駅に到着。送迎車で宿泊する宝生閣へ。宝生閣は、設備はやや古い が、落ち着いた感じの良い旅館だった。スリッパでなく、靴下のまま歩ける ようになっている。廊下は畳で、部屋の前には版画が飾られているのがオシ ャレだ。  少し休んでから街へ出る。高山市街の一部は、江戸から昭和初期にかけて の、古い街並みを生かした造りになっていて、観光名所になっている。コン ビニまで街並みに馴染んだ色合いになっているのでちょっとおかしい。一部 の「本物」を覗いては人工的に造られているはずだし、江戸時代と、初期と は言っても昭和時代はすごく違うはずだが、うまく「日本の伝統」が演出さ れていて、違和感を抱かせない。日本の観光行政も洗練されてきたものだ。  飛騨牛の串焼きを食べ、不思議の国に迷い込んだ気分を楽しみながら、さ んまち周辺を歩き、重要文化財である吉島家住宅を見学。女性の受付の方が 巧みな口調で説明をしてくれる。豪商であった吉島家の町屋で、火災の後明 治に建て直されたのが今の姿だが、見事な日本建築で、驚かされた。太い木 が巧みに組み合わされて、奥行きのある空間を生みだしている。インテリア もすばらしいが、それよりとにかく家の基本的な構造がすごすぎる。シンプ ルな縦と横の骨組みを幾重にもかけ合わせることによって、光と影を空中で 遊ばせているように見える。高山に来たら絶対見た方が良い。その後、陣屋 を見学しようとしたが既に閉まっており、すぐ近くの高山市政記念館を見学 する。明治から昭和中期にかけて実際に使われていた役所で、懐かしい匂い が濃厚。日本建築というのは、仕切りが少ないので解放感がある。窓からの 見晴らしも良かった。店をちょっと覗き、雑貨屋と併設されているセルフサ ービスの喫茶店でかき氷を食べる。妻は古い「太陽」誌を見つけて喜んでい た。  6時半から食事。地酒を飲み、飛騨牛、豚、鶏の焼き肉他の豪華な料理を 楽しんだ。名前は忘れたが、この地方で獲れる川魚をしゃぶしゃぶにして食 べる料理が特に気にいった。ご飯の後、江名子川がライトアップされるとい うので外出してみた。ライトアップ自体はしょぼいものでたいしたことはな かったが、夜の川沿いの風景は美しい。川沿いに散策し、家具の店をチェッ クしたりなどする。その後はお風呂。露天風呂もあり、ゆっくり浸かって疲 れを取る。その後、妻と一緒に、足湯のコーナーにも行く。夜景を見ながら 歩き疲れた足の疲れを取る。楽しい一日目を締めくくる楽しい小イベントだ った。 
7月21日(日)  土地を買うことに決め、印鑑登録のために妻と市役所へ。それから西友で 自転車を買う。一番安い8900円のシルバーのものを買った。自転車に乗るの は15年ぶりくらい。最初はぐらついたが、じきに身体が勘を取り戻した。 自転車で購入雨予定の土地まで走る。ゆっくり走って17分くらい。まあま あの時間だ。新小金井街道はラーメン屋がやたらに多いこともわかった。久 しぶりの自転車乗りは楽しかった。  自宅近くの蕎麦屋で食事をし、参議院選の投票をする。それから近くの図 書館に行って、登録を済まし、音楽関係の本を3冊借りる。自宅に戻ってく つろいだ後、サルサバンドの練習へ。
7月20日(土)  少し遅く起き、朝食をとった後、掃除。たまっていた雑用をこなして午後 を過ごす。夜は知り合いのシンガー、浜田亜東実さんのライブを聴きに、六 本木のホオキパへ。場所がよくわからず、到着した時は一部最後の曲だった。 ホオキバは洒落た作りのライブバー。サワーとスコッチを頼む。  亜東実さんはセッションで知り合った方だが、正確なハーモニー感に支え られた力強い歌唱が印象的な人だ。季節柄かボサノヴァが多かった。もう少 しタメを作って歌ってもいいかな、と思える場面もあったが、いつものよう に情熱的な歌い方で満足した。彼女の友人のシンガーたちもゲスト出演した が、皆達者に歌っていた。伴奏はギターの加藤泉氏。メリハリのあるギター だった。
7月15日(月)  気に入った土地をじっくり見るために、マンションから歩く。玉川上水沿 いの道をてくてく行き、新小金井街道に出たところで折れる。住宅街の中だ が、わかりやすい道順だ。気温がそれほど暑くなかったので気持ちの良い散 歩となった。土地と周辺の様子を見て、それからスーパーマーケット、ドラ ッグストア、図書館を回った。洒落た店などは一軒もないが、暮らしやすそ うだった。バスに乗って武蔵小金井駅へ。  それから六本木の新国立美術館へ。中世フランスのタペストリーの傑作「 貴婦人と一角獣」展の最終日。チケット売り場は混んでいたが、会場内はご った返すという程ではなかった。「貴婦人と一角獣」は、聴覚、触覚などの 感覚をテーマに、貴族の家系の繁栄を祈って作られた6点セットのタペスト リーで、婦人と侍女、一角獣、ライオン、その他様々な動植物が織り込まれ た中世後期の作品。構図の大胆さもさることながら、織りの緻密さに圧倒さ れる。動物も植物も、細部に渡って丁寧に描かれている。こういううねうね した図柄の作り方は、アラブ文化の影響があるのだろう。いずれも巨大な作 品で、見上げているうちに首が痛くなってくる程だった。関連の装飾品等の 展示や説明の映像も見て楽しむ。  見終わって、美術館の近くのベトナム料理屋でフォーのセットを食べる。
7月14日(日)  蒸し暑い一日。  午前、妻と一緒に不動産屋へ。先週見に行った小平市の土地が気に入った ので、詳しい説明を受けに行くことに。担当の若い男性の方が丁寧に説明し て下さった。予算などはほぼ想定していた通り。申込書もいただく。後少し 考えて他に候補がなければ、購入することになるかもしれない。ちょっとド キドキする。ドトールでお茶を飲みながら感想を交換し、帰宅する妻と別れ て東京都現代美術館のフランシス・アリス展に足を運ぶ。  フランシス・アリスはベルギー出身で、現在はメキシコに居を構え、世界 中でイベントを仕掛けて作品を作るアーティストだ。今回の作品は、ジブラ ルタル海峡が舞台。海峡を挟んで、ヨーロッパとアフリカの人々の想いがど うつながるか、というようなことがテーマ。スペイン側とモロッコ側から、 子供たち(といってもそんなに小さくない)が対岸に向かって歩くというも の。当然、荒い波をかぶりながら歩くわけで、そう簡単には進めない。列は たちまち乱れてしまう。その様子がカメラに収められ、大きな画面でビデオ 上映される。迫力のある映像だった。その他、関連のドローイングや写真、 「子供の遊び」と題された映像シリーズからの2点、たくさんのボートを集 めて海で列を作るイベントの映像、などが展示されていた。見終わって、こ んなことよくやるなあ、という気持ち。お金もかかるし、人集めも大変。バ イタリティに驚かざるを得ない。様々な人種の人たちの仕草や表情も面白い。 ただ、アーティスト自身がこうした営みの中で、自己をどう捉えているのか、 それがわからなかった。イベントを俯瞰するアーティストという立場に安住 しているところに不満を覚えた。  常設展も見に行って、ホンマタカシの子供を撮影した写真のシリーズに興 味を惹かれる。  帰り道、雨にあってずぶ濡れに。武蔵小金井に着いた頃には止んでいた。 途中、ケーキを買って帰宅。妻から、妻のお父さんが来て購入候補の土地を 見てくれて感想をいただいた、との話を聞く。大きな買い物に対して心配し てくれているんだと、ありがたく思う。
7月13日(土)  横浜のスタジオで8ビートジャズバンドのリハ。今日はドラムスの山村さ んが仕事で来られないのでドラムレスでの練習になる。  8月に墨田ジャズというイベントに出るため、そこでやる曲を中心に練習 したが、ドラムレスというのは、何かこう、鍛えられるものがありますね( 笑)。本当は各自が正確にリズムを刻んでいなくてはならないのだけど、普 段いかにドラムのリズムに依存していいたかがわかって反省。それでも、新 しくやる曲も含めて、格好がつく感じには仕上がった。後もう一回で本番。  リハ後、近くの居酒屋で打ち上げ。店内が若い女の子たちでいっぱいだっ た。特にオシャレな店でもないんだけどな。音楽の話で盛り上がって楽しい ひとときを過ごした。メンバーのうち二人はこれから更に別のバンドのリハ があるというから恐れ入る。 
7月7日(日)  今日も物件(土地)の見学。13時に国立駅に行き、不動産家さんの案内 で売地へ。駅から徒歩10分でこの場所にしては安い。周りは閑静で、公園も 近い。土地の持ち主の方の家がまだ建っているが(古いので家を解体して更 地にする必要あり)、かえって家を建てた時のイメージがしやすくて良い。 日当たりも良かった。駅に戻る途中、中古住宅物件と売地の物件を車の中か らだが見せてもらう。  天気がいいのは良いが暑い。駅に着いて、喫茶店でしばらく涼み、近くの イタリアンの店でパスタセットを食べる。わかめの入ったサラダがやたら量 が多く、学生さんがよく来る店なのかな、と思う。パスタはまあまあおいし かった。おしゃれなガラス工芸の店を覗き、武蔵小金井の三井のリハウスへ。 説明を受けてから車で小平市の土地物件へ。駅からはやや離れているが、値 段はかなり手頃。ある条件によって住宅建設の権利が完全におりていないこ とから割安になっているが、実際には建てられるとのこと。周りの環境も悪 くない。  戻って妻といろいろ話す。妻は最後の物件を気に入っており、自転車でも う一度見てくるという。ぼくは水シャワーを浴び、少し昼寝。トランペット の練習をしていたら妻が帰ってきて、駅からの時間を測ってきたという。す ごい情熱だ。
7月6日(土)  このところ、夫婦で不動産探しに力を入れているが、今日は中古住宅を3 軒見学した。11時に自宅の近くで不動産屋さんと待ち合わせ、不動産屋さ んの車で東小金井の多摩線沿いの家へ。ロフトを広く取った(ほとんど3階) のがっしりした家だった。周囲も緑が多くて見晴らしも良い。2軒目はその 近くにある3LDKの建売の中古で、ぼくたちには十分な広さで、庭もあり、悪 くなかった。  それから妻は予約していた吉祥寺の医院に行き、ぼくは床屋で散髪してか らメガネを作りに行った。古いメガネはだいぶ見えなくなっていたことが判 明。一旦帰宅して休憩。  その後、3軒目の家を見学するため鷹の台駅に向かうが、電車を乗り間違 えて遅刻。不動産屋さんに駅に迎えに来てもらう。お邪魔した家は、土地は 広くはないけれど、新築に近い、きれいな3LDKの建売だった。清潔感が良か った。  その後、国分寺を散歩しながら妻と感想を語り合う。一戸建ての家を訪ね るのは、マンションとは違ったワクワク感があって新鮮だった。
7月5日(金)   退社後、詩人の渡邉十絲子さんと小説家の保坂和志さんのトークイベント を聴きに池袋のコミュニティカレッジへ。保坂さんが渡邉さんの新刊『今を 生きる現代詩』(講談社現代新書)に感銘を受けてこのイベントが実現した らしい。渡邉さんと保坂さんはこの日が初対面であったそうだ。  雑談風な話題を交えて楽しく話が進んでいった。保坂さんが、有名大衆作 家を名指しで批判し、単純な因果関係による心理主義的な小説に対して疑問 を突きつけていたことが印象に残った。商業文学だから仕方ないじゃないか という気もした。渡邉さんは職業性の希薄な詩人の存在の頼り無さについて 語っていたが、この辺りは詩の強みでもあると思うので、より掘り下げた話 を聞きたかったところ。