2013年8月

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8月24日(土)
 テレンス・マリック監督の映画「To the Wonder」を見に吉
祥寺のバウスシアターへ。フランスのサンモンミシェルで出会ったアメリカ
人男性ニールと子持ちのフランス人女性マリーナ(ロシア系)は恋に落ちる
が、娘がアメリカに馴染めずフランスに帰ってしまう。その間、男は牧場で
働く幼馴染の女性ジェーンと恋愛関係になるが、まもなく関係は破たんする。
やがて娘を元夫に取られてしまったマリーナがアメリカに来て、ニールと結
婚するが、マリーナの激しすぎる恋慕の感情が災いしてか、ニールの心は彼
女から離れていってしまい、離婚することになる。この恋愛ストーリーと並
行してカトリックの神父クインターナの苦悩の物語が語られる。彼は熱心に
布教し、貧しい人々の相談にものったりするが、彼自身信仰について迷いが
生じており、活動をしながらも空しい気持ちを抱えている。
 恐らく、生き方を選択ができない現代人の姿を描こうとしているのだろう。
神父のクインターナは「神はどんな過ちでも冒しても許して下さるが、人間
にとって一番重要なことは選択することであり、選択しないことこそが罪な
のだ」と説教する。しかし、その実、選択できていないのはクインターナ自
身なのだ。二人の女性の間でふらふらするニールは、職業である水質調査の
仕事にも意義を見いだせていないようだ。また、マリーナはニールを愛して
いるというよりも、依存しているといった方が良い。男とどういう関係を築
いてどういう生活をしていきたいのか、彼女自身にもわかっていないようだ。
そういう現代人の姿を、マリック監督は官能的に、時には厳かに、描いてい
くのだが、その映像美はすばらしいが、登場人物たちの人となりや生活ぶり
を細部まで描き切れていない印象を受けてしまった。作者の主張が出過ぎて
いて、登場人物たちの素の姿が置いていかれている? もっと日常に即した
リアルなエピソードを挿入した方が良いのでは? 結果、考えさせられる映
画というより、耽美的な映画という感じになってしまう。妻に感想を聞くと、
やはりその辺りが不満でモヤモヤ感が晴れない様子だった。
 その後、妻の友人夫婦が行きつけだというイタリアンの店へ。店のこだわ
りがよく出た、おいしい料理だった。ヴィシソワーズが特においしかった。
 食後、井の頭公園を散歩。生まれて初めてスワンに乗る。方向転換が意外
と難しいが、慣れてくると楽しい。カモがすぐ近くまで泳いでくるのにびっ
くり。水の中では自分たちの方がはしっこいと知っており、警戒を解いてい
るのだろうか。公園を出て、アジア雑貨店を覗いたりする。休日らしい休日
だった。

8月22日(木)  盆期間に出社していたため、振替の夏休みを取る。妻も休みだったので、 一日一緒に行動する。  証券会社からの口座開設の書類を受け取るために小金井郵便局へ、それか らパスポートの住所変更用の戸籍抄本を取りに市役所へ。その後、立川の映 画館に、宮崎駿の新作「風立ちぬ」を見に行く。  「風立ちぬ」はとても面白く、興味深い作品だった。ゼロ戦を開発した堀 越二郎の生涯を描いた、宮崎駿の恐らく初めての非ファンタジー映画。関東 大震災や機械の様子のディティールが鮮やかに描けているのはジブリ映画と して当然なのかもしれないが、そういうこと以上に、現在よりも家や国家の 抑圧が強かった(と、我々も制作側も考えている)戦前において、個人がい かに自由に生きようとしたか、ということがテーマになっているように思え る。主人公は、自分の仕事が人を殺すことに直結するものであることに悩ま ない。飛行機がどういう役割を果たすのかについては考えず、「良い飛行機」 を作ることに情熱を燃やす。その情熱は、震災時に出会って、後に避暑地で 再会した菜穂子との恋愛にも同様に向けられる。再会して「ピンときた」こ とからみるみるうちに、恋愛が深まっていき、菜穂子の病気が判明しても結 婚の意思を明らかにする。堅物の上司夫婦が仲人になっての即席の結婚式の シーンはすばらしかった。仕事にも恋愛にも、直情的であることの幸せが描 かれていると言って良いだろう。見終わった時、妻は涙を流していた。  それから駅ビルの中華料理屋さんで食事。国立のインテリア・雑貨屋さん に寄って、コードを収納する箱を買う。なかなか洒落た品物が置いてある店 だった。
8月18日(日)  墨田ジャズフェスティバルに出演。  昼過ぎに錦糸町に着く。駅前では既に生演奏が繰り広げられている。墨田 ジャズは、墨田区が地域の振興のために始めたジャズフェスティバルで、た くさんのアマチュアミュージシャンが集まる。  幾つかのバンドを聞いて、ぼくのバンドが出演するAb錦糸町店に向かう。 小さな店だったが、きれいで気持ちが良い。前のバンドの演奏が始まる。E CM系の難しい曲を演奏していた。ところどころコードを把握しきれていな いアラが見えてしまったのは残念だったが、よく頑張っていたと思う。  ぼくのバンドは2時きっかりにスタート。ちょっと走ったが、大きな事故 もなく、スピード感のある演奏ができたように思う。満員御礼だった。  終わって、メンバーたちとサイゼリアで軽食。ギターの大江さんの奥さん が1歳7カ月のお嬢さんを連れてきていて、かわいらしさに目を細める。  その後、妻と二人でスカイツリー近くまで散歩して帰宅。家に帰る前にイ トーヨーカドーに寄って、ジーンズを買う。
8月17日(土)  疲れていたので11時頃起きる。掃除と楽器の練習で午後を過ごし、6時 半に妻と待ち合わせて、新宿の無印良品の住宅コーナーへ。契約についての コンセンサスを詰めていく。来年早々に着工できるのではないかという予測 をいただく。  終わって、伊勢丹会館の和食の店「AEN」で夕食。夏野菜のせいろ蒸し、 茄子・トマト・納豆のグラタン、長茄子の桜山豚メンチ挟みフライを頼み、 締めにたたきオクラの梅おろしうどん。日本酒の八海山も飲む。ここは、前 に一度ランチに来て、とてもおいしかったので、今度は夜来てみようという ことになったわけだが、どれもあっさりした中に嬉しいひと工夫がしてある。 値段もリーゾナブルだ。女性客が多かったから、女子会などに使うといいの ではないだろうか。野菜が新鮮でおいしいのが特に良い。  帰りに妻が無印でパジャマを買った。無印はこのところいろいろな商品を 売っているが、どれも抑えた中にかわいらしさがあって、その品質管理に驚 いてしまう。
8月11日(日)  伯母、両親と新宿で食事会。  伯母は体調のせいでぼくらの結婚式に出ることができなかったのを気にさ れていて、席をもうけて下さった。新宿京王デパート8Fの美濃吉に席を取 って下さったが、料理がおいしいのにびっくり。京料理だが、いろいろ手の こんだ料理が出てきて、見ているだけでも楽しい。白みその御椀が特におい しい。酒粕の香りがする。デザートの黒蜜の葛きりもおいしかった。  小児科医をされていた伯母は80歳を過ぎているが、しっかりしていて、 よく喋られ、料理もよく召し上がっていた。戦中、工場で3交代制で働いて いた話など、昔の話がたくさん聞けて面白かった。  食事が終わり、御礼を言って帰宅。ぼくの両親を伴って、購入予定の土地 を見せた後、自宅へ招く。伊勢原の巨峰をつまみ、結婚生活の話などする。 途中、激しい雷雨になったが、しばらくして止んだ。両親はぼくの新しい生 活ぶりを見てほっとしたようだ。
8月10日(土)  午後、渋谷のスタジオで4ビートジャズのカルテットのリハ。難曲ぞろい なので、テーマとアドリブを細かく分けながら丁寧に練習する。11月頃ラ イブをやろうという話も出る。  終わって、吉祥寺のビタミンTeeで天野行雄さんの個展を見る。天野さ ん得意の妖怪をテーマにした個展だが、いつもながら楽しめた。井の頭公園 とのコラボレーション企画の作品がのびのびしていて面白い。天野さんとも いろいろお話ができて嬉しかった。アジアに旅して、現地の人と「妖怪交流」 をした話が興味深かった。メンコみたいな絵柄の妖怪カードを購入。帰りに 八幡神社で御参りもする。
8月4日(日)  昼間、8ビートジャズバンドのリハのため横浜のスタジオへ。18日に墨 田ジャズフェスティバルに出演するので最後の仕上げのリハだ。選んだ5曲 を丁寧に練習する。何とか聞かせられるレベルにはなったかな。  終わってからそごう美術館の「福岡市博物館所蔵 幽霊・妖怪画大全集」展 を見に行く。吉川観方のコレクションを中心にしたもので、浮世絵や狩野派 の幽霊・妖怪画の秀作を、子供の視点を意識しながら展示したもの。アイデ ィアの豊富さに驚いてしまう。妖怪をモチーフにすると、こんなにもバラエ ティ豊かな世界が作れるものか。恐怖、滑稽、人情、何でもござれで、画家 たちが楽しんで描いている様が浮かんでくるようだ。親に連れられた子供た ちも熱心に見入っていた。丸山応挙周辺の画家たちの幽霊画が特に風情があ って面白かった。  見終わって経堂へ。喫茶店で読書しながら時間を潰し、サルサバンドのリ ハへ。
8月3日(土)  新宿の無印良品に住宅建設の契約の件で足を運ぶ。  担当の方に、アシスタントの社員の女性を紹介してもらう。感じの良い人 だ。間取りなどはおおむね最初のプランのまま、玄関周りなどは要相談。よ り詳しい見積もりを出していただくことにする。妻が細かいところまで詳し く聞いてくれるので助かった。  無印を出て、近くのタイレストランで昼食。1000円程で、麺とグリーンカ レーとデザートが食べられるセットを注文。なかなかおいしかった。  一旦武蔵小金井のマンションに戻る。夕方、昭島の花火大会に行くため家 を出る。昨年行った立川の花火大会程規模は大きくなく、来ている人も近所 の家族連れが多い。もちろん混雑はしていたが、歩けない程ではない。昭島 の緑地くじら運動公園は初めて来たが、キングコングのような大猿の遊具が 置いてあったりして楽しい場所だった。売店のテントの裏にシートを敷いて 座り、缶ビールを飲む。8時半頃花火が始まった。オーソドックスと言うか 普通と言うか、「昭和」な感じの花火でした。子供の頃見たような感じのも ので、多摩とか立川のような、派手で斬新な花火はほとんどなかった。でも、 その分、安心して楽しめる。時間は30分ほどだったが、十分楽しんだ。妻 は浴衣を着てきたが、今年は自分で着ることができたと威張っていた。妻は 和風の顔立ち(というのも変だが)なので、浴衣はよく似会う。帰りの電車 もさほど混まず、こういう落ち着いた庶民的な花火大会もいいなあと思った。