2014年4月

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4月29日(火)
 某所でセッション。 
 そこそこ上手な人たちがいて楽しめたのだが、不満も残ってしまった。
 この中に、音でもって、未知の次元を拓こうとか、超現実の世界に遊んで
みようとか、そういうことを思っている人はいないのだろうか、と。
 まあ、ぼくもアマチュアだし、和気藹藹とまったりセッションしてアフタ
ーのお酒を楽しむのは大好きだ。「趣味」として音楽をやるというのは健全
なことだとも思う。
 しかし、アマチュアであっても、長く続けている人は、「趣味」の枠を出
て「表現」としての音楽を目指してもいいんじゃないかなあとも感じるわけ。
 別にコルトレーンみたいに求道者の如き姿勢で演奏せよと言っているので
はない。そうではなくて、音でもって「自由」を実現するというベクトルを
演奏者がもっと自覚的に持っていていいのではないかということだ。
 収まりの良い「型」を成立させるのに一生懸命、それだけで終わってしま
う演奏が多い。ジャズにもたくさんの決まりごとがあるが、本当はそうした
約束事は、それを踏み台に演奏者が個々の「自由」を表現するためにあるの
ではないか。多くのプレイヤー(プロも含めて)が、そこのところが逆にな
っているような気がするのである。
4月27日(日)  水天宮のミュゼ浜口陽三ヤマサコレクションで南桂子「ノスタルジア」展 を見る。南桂子は銅版画家で、有名な浜口陽三の奥さんだった人だ。彼女の 名前はそれほどポピュラーというわけではないが、作品を見れば、ああこの 人か、と思うだろう。本の装画によく使われているし、ホテルや喫茶店で飾 られていることも多い。イラストのようなメルヘンタッチの、おしゃれな絵 柄。詩的な佇まいに打たれる。イラストとして確固とした世界を作る後期の 作品より、文学(彼女は詩と童話の創作を本格的に行っていた)と現代美術 との接点を持った初期の作品の方により惹かれた。日本の風物が描かれるこ とはほとんどなく、西洋の児童文学の世界をテーマにしたような作品がほと んどだ。敗戦を経験し、西洋文化への渇望が最も強かった世代のアーティス トだったのではないかと思う。しかし、こうした理想化された<西洋>の姿 は、それこそ日本人特有の表現であろう。  帰りに三越に寄って、妻への土産にできたてのバウムクーヘンを買う。  夕食は妻が作ってくれた筍ごはんとフキノトウとタラの芽のてんぷら、ノ ビルのおひたし、豆腐の吸いもの。なんともヘルシーな献立だが、どれもす ごくおいしかった。筍は、義父に贈っていただいたもの。天ぷらは、山菜の 天ぷらが一番おいしいと思うのはぼくだけでしょうか。微かな苦みと油との 相性が抜群。こういうのを食べると、日本人に生まれて良かったなと思って しまう。
4月26日(土)  11頃起きて掃除。それから今市子のマンガ「百鬼夜行抄」を読みふける。 6時すぎに家を出て、三鷹のライブハウス、ソニドで知り合い主催のジャム セッション。ヴォーカル入りのオープニングを聞き、10時半過ぎまでセッ ションした。顔見知りのギタリストと久しぶりに会い、言葉を交わす。
4月20日(日)  代々木上原の鎌倉パスタで鈴木志郎康さん、今井義行さんとの詩のお喋り 会。久しぶりだ。今井さんは引っ越し先が決まり、忙しそうにしていた。良 いアパートが見つかった本当に良かった。志郎康さんは、詩集『ペチャブル 詩人』で丸山豊賞を受賞されたが、丸山豊の詩について話して下さった。九 州出身で上京してモダニズムの詩を書いていたが、戦争になってビルマの激 戦地に軍医として赴任。戦争の惨状をまざまざと見た。戦後の詩は、戦争を あからさまに描いてはいないが、その残響が詩句から読み取れるという。あ の当時の現代詩は詩人の内面を描くばかりで、外部の現実を細かく描く語法 を持ち合わせていなかった。今だったらどんな詩になっただろう。  話し終わって、志郎康さんの奥様のマリさんも一緒にご飯を食べ、楽しい 時を過ごす。  その後、サルサバンドの練習へ。
4月19日(土)  夫婦で朝寝坊。今週は忙しかった。12時頃起床。さすがに疲れが取れた。 昼食をとり、自転車で建設中の家を見に行く。通りの新緑が美しい。家はも うかなりできていて、来月の末くらいには完成しそうだ。工事が休みで、中 には入れなかったが、ベランダから覗いた感じでは、想像していた通りで満 足した。  それから三鷹に移動。三鷹美術ギャラリーでマリー・ローランサン「女の 一生」展を見る。宣伝を余りしていないらしく、館内は空いていたが、作品 の質は高かった。ローランサンの良さは華やかではなくて、曇った感情の表 現にあると思っていたが、それは正しかったと改めて思った。こちらに目線 を向けず、横を向いて自分の世界に閉じこもった姿で女性としてのアイデン ティティを表現する。それは外部の世界の原理に対する抵抗の姿勢を表して おり、日本の少女漫画のような、男性社会に対するレジスタンスを示してい ると思う。くすんだ背景を持つ、初期の作品にはそれが如実に表れている。 晩年になると、徐々に華やかな雰囲気になって、いわゆるローランサンらし い感じになるのだが、ぼくは初期の作品の方が好きだ。驚いたことに、妻も 同じ意見だった。  見終わって、本屋に寄り『進撃の巨人』最新刊を買って帰宅。妻が作って くれた鶏ガラスープと茹で豆のチリコンカンの夕食を食べる。どちらもとて もおいしい。鶏ガラをじっくり煮込むと、おいしいスープができるんだなあ。 ぼくも作ってみよう。
4月13日(日)  午後、下北沢のライブハウスアポロのセッション。この店は初めてだ。パ チンコ屋の隣にある、小さな店だったが、ホストのミュージシャンの質が高 くて満足した。ドラムスとピアノが特にうまかった。ピアノの女性もぼくの 演奏が気に入ってくれて、少しお喋りする。お客さんの中デハテナーサック スの人が上手だった。終わってラーメンを食べ、そのままサルサバンドの練 習へ。
4月8日(火)  大学のジャズ研の先輩の東宮さん、東宮さんの会社でアルバイトをしてい る女優の鈴木みほさんと、飯田橋のイタリア料理店で食事。鈴木さんは海老 反りの姿勢で卵を運べるほど体が柔らかく(ギネス記録を持っている)、幾 つもの舞台に出演したことのある女優さんでとてもきれいな方だ。彼女と詩 や音楽でコラボレーションできないか、ということで、いくつかの案を話し た。鈴木さんの経歴などもいろいろ聞いた。ぼくの詩を使って何かできそう だということで、ぼくもワクワクする。 4月5日(土)  ちょっと遅く起きて掃除。カレーを食べて、メルマガのコラムを執筆。ト ランペットの練習をしてから、西国分寺のイタリア料理店オステリアへ。今 日は妻が出勤日で、レストランで落ち合う予定だったが、駅から歩く姿を見 つけて一緒に店に入る。ここは結婚前にも来たことがあった。カジュアルだ がおいしくて雰囲気も良い。テリーヌ、シーフードのピザ、ハムのパスタを 注文。パスタの歯ごたえが絶妙。やはりいい店だ。ワインも飲む。家のこと やら仕事のことやらを話し、デザートのアイスクリームとオリーブティー。 このオリーブティーが香りが良くておいしかった。