2014年8月

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8月30日(土)
 昼間掃除をして、夕方、三鷹の病院に入院している詩人の今井義行さんの
お見舞いに行く。今井さんは体に治療が合っているようで、前よりも随分と
元気になっていた。顔色も良かった。お見舞いに、花と、渡邊十絲子さんの
評論集『今を生きるための現代詩』を渡す。いろいろ話し込んでいるうちに
8時近くなってしまい、慌てて病院を出る。三鷹の街では阿波踊りのパレー
ドが賑やかだった。帰宅して、妻が作ってくれた鯛のアラと大根の煮つけを
食べる。
8月29日(金)  退社後、セッションでお世話になっているピアニスト永武幹子さんが参加 するライブを聞きに、東中野のセロニアスへ。中華屋さんでマーボー丼で腹 ごしらえし、8時ちょっと前に店に入る。小さな店だが立派なグランドピア ノがあった。アルトサックスの林栄一、トランペットの高澤綾との共演で、 ベース、ドラムはいない。難しい編成だが、永武さんは堅実にフロントを支 えていた。曲はスタンダード中心。林さんの演奏は昔聞いたことはあったが、 その時はフリージャズの要素の入った演奏で、今回のようなスタンダードナ ンバーの演奏は聞いたことがなかった。パーカーフレーズを散りばめたオー ソドックスなスタイルで味のある演奏をしていた。時折、本領を発揮してフ リーっぽいパッセージを入れていたのも面白い。高澤さんの演奏は初めて聞 いたが、50年代くらいのバップのスタイルを踏襲したもので、スペースを 余り入れない、非常にかっちりした演奏だった。もっと自由奔放さが欲しい なと思う時もあった。永武さんは最初緊張していたようだったが、徐々にペ ースを取り戻して、遊び心のある溌剌としたプレイを聞かせてくれた。  ジャズのライブを聞きに行くのは久しぶりだったので楽しかった。
8月24日(日) さとう三千魚さんのブログ「浜風文庫」に載せていただくための詩を完成。 明日公開だが反響はどうかな?  3時すぎに東小金井で伯母の長瀬さんと待ち合わせ。長瀬さんとは結婚後 にお昼ごはんをご一緒させていただいたことがあり、その際に、新居ができ たらお祝に所蔵している絵を差し上げますと言われていた。絵はローマ在住 の洋画家平田ゆたかの作品で、伯母は一目見て気に入って購入したのだとい う。絵を受け取り、近くの喫茶店で30分ほどお喋り。伯母は医師をしてお り、80歳を超えているが、今でも子供たちの健診を引き受けることがある という。帰って梱包をほどき、立派な額におさめられた「赤くもえるローマ」 という油絵に対面。夕暮れ時(もしくは朝焼け)のローマの街を、情緒たっ ぷりに壮麗に描いている。街に光が満ちている感じがすみじみと伝わってく る。  その後、ラテンジャズバンド、サルサバンドのリハに参加するため外出。
8月23日(土)  夫婦で寝坊。朝昼兼用のご飯を食べて、掃除。3時に庭作りのことでガー デニングの業者さんと打ち合わせ。前回出していたこちらの要望を取り入れ たプランを作って下さった。さすがにプロの庭師の知識は深くて広い。驚か された。当初の予算内で良い庭が作れそうだ。  その後、ちょっと昼寝。それからラテンジャズバンドの簡易な譜面を作成。 6時半になって妻と一緒に外食へ。気晴らしのウォーキングも兼ねて、徒歩 で武蔵小金井の鹿児島居酒屋「ねがや」へ。ここはもう2度来ているが、雰 囲気が良く、食べ物がおいしいので気に入っている。平日は混みあっている が、休日は比較的すいているのも良い。イタリアンサラダ、鶏皮ギョーザ、 キノコのオムライス、ガーリック風味のポテトフライなどを食べた。鶏皮ギ ョーザとオムライスが特においしい。おいしい焼酎ロックも飲んだ。デザー トはドラゴンフルーツのシャーベット。最近、妻と外出していなかったので 楽しかった。帰りに隣の洋菓子屋さん「パリジェンヌ」でケーキを買う。
8月16日(土)  ここ3日ばかり、庭の草むしりをしたり、日頃できないでいた雑務を片づ けたり、楽器の練習をしたり、詩を書いたりして過ごした。アクティブな夏 休みとは言えないが、のんびり過ごすのは楽しいことだ。  今日は、午後からブラジルから帰国している大学ジャズ研後輩の小松君の 歓迎セッションに行った。先週も行ったのだが、やり足りない気持ちが残っ たので、自宅にスタジオのある西澤さんの家に改めて集まろうということに なったわけ。ドラムの西澤さん、藤田さん、ピアノの岩渕さん、東宮さん、 ベースの杉本さん(岩手からわざわざ駆けつけてくれた)とピアノを弾く奥 さん、小松君がブラジルでお世話になった井上さん(ピアニストでもある)、 マレーシア長期出張から戻ったドラムス&ヴォーカルの佐藤さん、トランペ ットの石井さんにぼく、というのが今回のメンバー。西澤さん秘蔵の日本酒 の銘酒を味わいながら、5時間以上もセッションを行った。飲みながらなの で、余りタイトな演奏はできなかったのだが、まあ、こういうのも良いでし ょう(笑)。小松君は昔よりだいぶうまくなっていて、味のある演奏をして いた。他のみんなも、学生の頃の演奏のスタイルを維持・発展させていて、 その変化と変わらなさぶりとがともに面白かった。それにしても西澤さんの 日本酒コレクションには恐れ入りました。日本酒の良いのを最近余り飲んで いなかったのだが、そのうまさに、本当にまいりましたよ。日本酒は米を磨 いて作られるんだなあ、ということが飲みながらよーくわかりました。  10時半すぎまでダベッて、慌てて帰宅。駅からタクシーに乗り、午前様 になってしまいました。たまにはこういうのもいいですよね。
8月12日(火)  午前中、庭の草むしり。気温が高く、雨がちなので、草が茂りに茂ってい る。明日もやろう。  午後、松濤美術館で「いま、台湾」という台湾の現代美術展を見る。飛び ぬけてすごい作家や作品はなかったが、全体としてはとても面白かった。台 湾の美術家たちは、書と絵画を基本的には同じものと捉えていることがわか った。文字通りの「書画」だ。それが抽象画の筆遣いにも表れている。筆の 使い方に対する考え方が西洋絵画と違うのだろう。  それから入院中の詩人・今井義行さんのお見舞いへ。三鷹の病院だが、清 潔で気持ちの良い病院だった。今井さんは、ここの治療が効いたようで、元 気そうだった。1時間半程も楽しくお喋り。  返って夕食作り。トンテキとほうれんそうのおひたし、厚揚げの味噌汁。 国産の良い豚肉が買えたので、トンテキはおいしくできた。
8月11日(月)  夜、同じ会社にいたことのある守屋さん、逸見さん、原口さんと飲む。守 屋さんは売れっ子の作家、逸見さんは執行役員、原口さんは社長と、皆さん 出世している中、ぼく一人が平社員(笑)。業界の話がたくさんできて面白 かった。場所は神保町の居酒屋で、魚料理が充実していた。久しぶりに結構 飲んだなあ。
8月10日(日)  妻の両親と弟さんが、新居を見にいらしてくれた。  天候が不安定なので心配していたが、何とか持ちこたえてくれた。12時す ぎに弟さん運転の車が到着。新居を案内する。すっきりしていていいとほめ て下さった。お義父さんからは庭に野菜などを植えるといいのではないかと いうアドバイスをいただいた。  一通り家の中を見てもらった後に食事。妻が腕によりをかけて作ったタイ のカルパッチョ、豆腐サラダ、ホタテとダイコンのサラダ、ズッキーニとト マトのスープ、チリビーンズはどれもおいしかったし、好評だった。家のこ とや義父の趣味の陶芸のこと、仕事のことなどを1時間半余り楽しくお喋り。 いろいろお土産もいただいた。家の前で記念撮影をしてお開き。悪天候にな らないで本当に良かった。  それからちょっと昼寝し、妻とお茶。ソーメンの夕食。妻がチリビーンズ の残りを使ってオムレツを作ってくれて、それがとてもおいしかった。
8月9日(土)  ブラジルの日本大使館で働いている大学ジャズ研の後輩、小松君が帰国、 歓迎会替わりのセッション大会に行く。場所は藤沢のクラジャという店で、 広くて設備の良いライブハウスだった。藤沢から歩いてすぐだろうとタカを くくっていたら結構遠くて、藤沢本町から行くべきだったと反省。小松君は 学生時代から余り変わらない飄々とした感じで、その変わらなさに感動する。 他のジャズ研OBも集まり、飲みながら3時間半ほど演奏した。こうやって セッションしていると、大学の学園祭でワイワイ演奏している気持ちになっ てくる。皆、プレイも基本的には余り変わっていない(笑)。  セッション後、藤沢の浜焼きをウリにしている飲み屋で打ち上げ。ホタテ やイカを食べながら昔の話や近況の話で盛り上がる。異国の地に根を張って 暮らしていけるというのは、たいしたものだ。ブラジルは治安が悪いとかい ろいろ言っていたが、家族もいるし、生活し続けていける自信があるのだろ う。来週もセッションをやろうと決定。楽しみだ。
8月3日(日)  箱根旅行2日目。  朝食後、9時半にチェックアウト。強羅公園に寄る。いかにも昭和の行楽 施設というレトロな雰囲気が漂うが、その分気取りがなくて落ち着ける。色 とりどりの花が植えられていて、花が好きな妻は楽しんだようだ。ここの一 角に小さな植物園やハーブ館があるが、特にハーブ館は内容が充実していて、 ハーブ好きの妻からいろいろ教えてもらった。  それからロープウェイに乗って大涌谷へ。ロープウェイからの眺めが最高。 いかにも火山地帯らしい地形を、目を回すような高所から楽しめる。大涌谷 に着くと硫黄の臭いが漂ってきた。上り道がややきついが、温水が沸くとこ ろまで歩いて、雄大な景色をバックに写真を撮った。  ロープウェイで芦ノ湖まで降りて遊覧船へ。このコースは超定番らしく、 大涌谷にいたお客さんたちと何度もすれ違う。遊覧船は海賊船のような外観 に仕立てられていて、いかにも観光向けだが、まあいいでしょう(笑)。ボ ーッと水面を滑っていくのは心地よい。箱根元町に着いて、少し時間があっ たので周囲を散策。寄木細工の店を覗き、箸置きを買った。旧箱根街道も少 し歩く。杉の大木の並木が壮観だった。  時間がきてバスに乗って箱根湯本へ。ここでアイスクリームを食べて休憩 し、土産物を買う。ロマンスカーで帰途。武蔵小金井に7時半頃着いて、中 華料理屋で夕食。  近場だが楽しい旅だった。こんな人並みな旅は独身時代は滅多にしなかっ たな。
8月2日(土)  妻と箱根に一泊旅行。  12時発のロマンスカーに乗ろうとしたら、新宿駅でセッション仲間の荻原 さん、釜谷さんに会ってしまう。妻を紹介できて良かった。  ロマンスカーは久しぶりだったが、流れる景色を見ながらビールを飲むの は乙なものだ。車内は女性客が多く、女の人が旅好きというのは本当だなあ と思った。  箱根湯本で降りて、蕎麦屋で昼食。自然薯のとろろそばは風味が豊かでお いしかった。それから登山鉄道に乗る。駅員の制服が置いてあって、勝手に 着て写真を撮っても良いと書かれていたので、子供用だったが無理に着て妻 に写真を撮ってもいました(笑)。それを見ていたどこかの家族が、ぼくが 制服を脱ぐとすぐに子供に着せて記念撮影をしていた。やっぱり子供は電車 が好きだよね。登山鉄道は小学生以来だったが、急角度の道をスイッチバッ クしながら登っていく様は面白い。秋は紅葉もきれいだろうなと思う。  彫刻の森美術館に到着。小学校の遠足で強い印象を受けたスポットだが、 30年たって再訪し、面白い工夫をしていると改めて感じた。  まず作品が良い。幼い時に感動したブールデルの「力」「勝利」「自由」 「雄弁」やロダンの「バルザック」や、 ザッキンの「山野を歩くヴァン・ゴ ッホ」、ヘンリー・ムーアの諸作は、懐かしさと同時に改めて新鮮な印象を 受けたし、他のたくさんの作品も皆面白い。それが野外公園に、不規則的に 配置されているのが実に良い。散歩の途中、思いがけない発見をいろいろし た、という感じ。美術館で作品を鑑賞する、というのでなく、ぶらぶら歩き ながらアートを体験する、という自由な感じが何とも言えないのだ。配列が 不規則で意外性に満ちているからこそ身体的な記憶として残る。この不規則 性は日本庭園のテイストに近い。ピカソ館も面白かったし、子供たちが遊べ るようにロープを複雑に編んだネットの森も家族連れに大ウケ、足湯も楽し んだ(お母さんが大声で小さな息子を怒鳴っている光景にも出くわしました が…)。美術を鑑賞するという束縛を解いて、美術を中心とした一種の遊園 地に仕立てたところが面白い。海外の旅行客も大勢いた。  彫刻の森美術館をゆっくり見て回ってから宿へ。徒歩で行くことを選択し たが、急な上り道が続きちょっと後悔。でもまあ、楽しみました。  予約した宿は中級クラスの日本旅館。建物や設備はやや古かったが、落ち 着ける感じで十分良い。夕食では地酒も頼み、いい気分に。温泉に浸かって 疲れを癒した。